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両丹日日新聞2015年1月18日のニュース

新大江病院、分院化後は在宅医療など柱に

市民病院の分院となる新大江病院 福知山市大江町河守の国民健康保険新大江病院が、今年4月から福知山市民病院の分院(公設公営)になる。分院化で何が変わるのか。市民病院の香川恵造院長は、在宅医療など2本柱を軸にした運営方針を立てている。

■「地域全体を診る医師」育成■

 新大江病院は旧大江町が国保大江診療所として1953年に開設した。間もなく大江病院に改称。05年度には、町主体の医療法人財団が指定管理者として引き継ぎ、公設民営となった。現在は内科と消化器科、リウマチ科の3科で、ベッド数は72床ある。

 公設民営になってから、2年間は黒字を確保していたが、医療スタッフ不足などが原因で、08年度からは赤字経営となり、12年度には約9200万円の赤字を出すなど、厳しい経営状況に陥った。

 13年6月に、地元から「新たな展開を図るため、公設公営化を」との要望があり、指定管理期間が今年3月末で終了するのに合わせ、市は4月から市民病院の分院にすることを決めた。
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 香川院長は「分院化後は『総合診療専門医の育成』と『在宅医療の推進』を2本柱とし、さまざまな課題を解決し、地域に必要とされる病院を目指したい」という。

 総合診療専門医とは、患者の病気を幅広く継続して診療し、「地域全体を診る」ことが求められる医師のこと。「大江地域には高齢者が多く、複数の病気を抱え、慢性化しやすいお年寄りなどに対応できる」とも話す。

 大江分院内には、地域医療研修センター(仮称)を設置し、専門医を育成する。分院を人材育成の場としても位置付けることで、「意欲的な若い医師たちが集まり、医師不足の解消につながるのでは」と期待している。

 超高齢社会に対応する在宅医療の推進については、医師と看護師でチームをつくり、通院が困難な患者らに対し、訪問診療などを行うことにしている。

■診療科再編 本院とネットワーク化■

 設備面では、電子カルテシステムを導入し、市民病院とのネットワーク化を図る。また訪問診療の際にも、患者の検査結果や投薬状況などの医療情報をタブレット端末で見ることができるため、「在宅医療にも大いに活用できる」という。

 診療科は内科、小児科、リハビリテーション科に再編。これまで病院に併設してきた「リウマチ・膠原病クリニック」と、患者数が少なかった北有路の有路診療所は廃止する。

 ただし、クリニックの機能については、しばらく移行期間を設けることにし、最終的に市民病院へ完全移行する方針だという。

 このほか薬の院内処方を院外処方に変更▽検体検査や人間ドックの市民病院への引き継ぎ▽エレベーターの改修・新設−などが予定されている。

 香川院長は「安心安全な医療を提供したい。経営面で不安が無くはないが、出来る限り改善し、ゆくゆくは黒字化を図っていきたい」と話している。


写真上=市民病院の分院となる新大江病院
写真下=分院化後の方針などを説明する香川院長

    

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