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両丹日日新聞2014年12月25日のニュース

地域の疲弊食い止めようと住民らが協議会 夜久野で準備

100人ミーティング 少子・高齢化が急速に進む福知山市夜久野町では、地域の疲弊を食い止める個性あるまちづくりを推進するため、住民たちが来春に民間主導の「夜久野みらいまちづくり協議会(仮称)」を設立する準備を進めている。すでに各自治会長へのアンケート調査、100人ミーティング、先進地視察を終えており、今年度内に若者定住策や農業振興策などを盛り込んだ「夜久野みらいビジョン」を策定する予定。

 夜久野では06年1月の市町合併後、地域の連携を図るために町連合自治会(足立義照会長)を独自に組織している。46自治会の総人口は3785人、世帯数は1591世帯(いずれも11月末)。高齢者比率は45%を上回り、人口の半数以上が65歳以上の限界集落も年々増えて、17自治会を超えた。

 若者の都市部への流出で、少子高齢化が進行し、これに伴う課題が山積。このため、「集落機能の低下に歯止めをかけ、夢のある将来像を描いて地域力を再生しよう」と町連合自治会が呼びかけ、5月中旬にまちづくり協議会設立準備委員会(荒木光雅委員長)を立ち上げた。

 委員会は連合自治会長、副会長、上、中、下地区の代表ら6人で組織。アンケート調査は11月、全自治会長を対象に、6つの課題に記入方式で回答してもらう形で実施し、約74%の34自治会から回答があった。

■鳥獣被害や空き家増加など課題山積■

 自治会の課題は「有害鳥獣被害の拡大」「空き家の増加・老朽化」「自治会役員のなり手がない」「農地・里山の荒廃化」などが挙げられた。地域の強みとしては「自然や観光資源が豊富」「農産物がおいしい」「季節行事が引き継がれている」「農地・山林が多い」などと答える人が多かった。

 夢(実現を求めるもの)は「若者の定住と交流」「高齢者まで働ける場の確保」「自治会運営の見直し」「大型スーパーの誘致」との声が目立った。閉校された旧3小学校の活用方法は、4人以上の回答として「企業誘致」「芸術村整備」「旧校区の交流拠点建設」「住宅地造成」「スポーツ振興拠点整備」などがあった。

■100人ミーティングで意見交換■

 14日には「100人ミーティング」を開催。高校生から高齢者まで85人が参加。成美大学の中尾誠二准教授をコーディネーターに迎え、全体会のあと、10班に分かれてグループ討議をした。

 「電線が少ないので、映画のロケ地としての活用」「滞在型のスポーツやリハビリ施設の設置」「農林業で生計を立てていける町に」「夜久野高原温泉を拠点に山歩きや郷土料理を合わせた観光振興」「夜久野学園は英語教育が進んでおり、留学生の積極的な受け入れを」などさまざまな意見が出された。

 中尾准教授は「未来志向の人が夜久野にこれだけいるという意義は大きい。地域に帰ってリーダーシップを発揮し、活性化につながる施策をともに考えてほしい」と総括した。

 向こう10年間のまちづくりの指針となるビジョン作成を控え、同委員会では「アンケート結果やミーティングで出された意見、これから集まる声をビジョンに反映させたい。磨けば光る資源を発掘し、豊富な人材の力を結集し、地域力を高めていく必要がある」としている。

 当面、まちづくりの意見を募集する。


写真=活発に意見が交わされた100人ミーティング

    

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