WEB両丹

きょうあったいい話、夕飯までに届けます。京都府福知山市の情報を満載した新聞社サイト

タブメニュー

両丹日日新聞2014年8月13日のニュース

大江の丹後二俣紙が海外で活躍 アルメニアの墓石の拓本に

0808nagaoka.jpg 手漉き和紙を作る福知山市大江町二俣、田中製紙工業所の丹後二俣紙が、西アジアの国・アルメニアの墓石の模様を記録する拓本用に使われている。書や絵の用紙として使われることが多い手漉き和紙が、遠い異国の地に渡り、意外なところで活用されている。

■版画家の長岡さんが持参し記録■

 拓本の活動を続けているのは京都精華大学名誉教授で版画家の長岡国人さん(74)=兵庫県朝来市和田山町=。01年からヨーロッパのユダヤ教やキリスト教の墓石の表面の模様を拓本にして記録してきた。12年からは5カ年計画で、アルメニアの墓石の拓本記録をとり始めた。

 ハチカル(十字の石)と呼ばれるアルメニアの墓石は、中央に草木などで十字の形、周りには花、葉っぱなどが刻まれ、美術的にも価値があり、世界文化遺産にもなっている。

 墓石の一部は風化や破壊行為で傷みが激しいものもあるため、長岡さんは版画家としての活動を通じて、貴重な遺産を後世に伝えていこうと、自費でアルメニアに渡り活動している。

 ユダヤ人らの墓石拓本には、画仙紙、美濃紙などを使ってきたが、たまたま立ち寄った田中製紙で丹後二俣紙と出会い、アルメニアでの活動から使用している。

 墓石の表面には凹凸があり、拓本の際に和紙の強度を心配したが、原料のコウゾの繊維が密にからみあっている丹後二俣紙は破れにくく、現地での作業に適していた。
0808hachikaru.jpg
 直近の予定ではアルメニアに8月27日、長岡さんが主宰する版画工房のスタッフ2人と渡航。9月26日まで5カ所の墓地に行く。アルメニアでは毎回100枚の丹後二俣紙を使っており、今年は墓石の大きさを考え、1・35メートル×70センチと1メートル×65センチの2種類のサイズの和紙を各50枚持っていく。

 現地では1つの墓石に対して2枚の拓本をとる予定で、1枚は持って帰り、もう1枚はアルメニアの文化庁に贈る。

 長岡さんは丹後二俣紙について「原料のコウゾを自分たちで育て、伝統的な技法で紙を漉いているのが素晴らしい」と高く評価。「作られた和紙は世界に通用するもので、何百年も残っていく。今年も大切に使いたい」と話している。

 田中製紙の5代目、田中敏弘さん(52)は「強度的にみて、破れないか心配しましたが、どうにか役立っているようで安心しています。古来の方法で漉かれた和紙の良さをアルメニアの人たちにも知ってもらえればうれしい」と期待している。


写真上=丹後二俣紙を持つ長岡さん(左)と田中さん
写真下=丹後二俣紙を使い、拓本にしたハチカルの模様

    

[PR]



株式会社両丹日日新聞社 〒620-0055 京都府福知山市篠尾新町1-99 TEL0773-22-2688 FAX0773-22-3232

著作権

このホームページに使用している記事、写真、図版はすべて株式会社両丹日日新聞社、もしくは情報提供者が著作権を有しています。
全部または一部を原文もしくは加工して利用される場合は、商用、非商用の別、また媒体を問わず、必ず事前に両丹日日新聞社へご連絡下さい。

購読申込 会社案内 携帯版 お問い合わせ