西日本を縦断し日本海へ抜けた台風11号は、10日昼すぎに福知山を通過した。心配された由良川や支流の大きな氾濫はなかった。11日正午現在、市内でけが人や大きな土砂崩れなどは報告されていない。昨年の洪水で大きな被害を受けたばかりとあって不安を募らせていた市民は、胸をなでおろしている。農作物の被害は調査中。

　台風の接近に伴い、9日午前5時24分、福知山地域に大雨警報が発令され、これに伴って市は市長を本部長とする市災害警戒本部を設置。職員68人態勢で情報収集と警戒にあたった。

　午前11時30分には、市内全域に広域避難所57カ所を開設。昨年の台風18号水害の教訓を生かし、午後5時10分、早い段階で避難準備情報を発表した。避難所には午後9時30分時点で、21カ所に75世帯108人が身を寄せ、不安な一夜を過ごした。

　10日午後1時の段階で、累積雨量が190・5ミリ（寺町）に達し、一時は由良川が福知山観測所（音無瀬橋下流）で氾濫注意水位を超える4・4メートルまで上がったが、午後5時には、今後雨が降る恐れが低くなったと判断し、一部を除き避難所を閉鎖。道路が冠水する可能性があるとして、引き続き開設していた由良川中流部の3カ所についても、大雨警報の解除と同時に、午後7時26分に閉鎖した。


写真＝昨年広範囲で浸水した戸田地区などでは、乗用車や重機を高い場所に避難させるなど対策を取っていた