WEB両丹

きょうあったいい話、夕飯までに届けます。京都府福知山市の情報を満載した新聞社サイト

タブメニュー

両丹日日新聞2014年6月13日のニュース

「三和ぶどう」大打撃 強風と大粒のひょう

0613budou.jpg 12日夕方、京都府北部上空に寒気が流れ込んで大気の状態が不安定となり、雷を伴った大雨と強風、一部で大粒のひょうが降った。この影響で、福知山市三和町友渕では、特産のブドウに大きな被害があり、収穫が大幅に落ち込みそうな状況となっている。このほか市内では道路上に木が倒れたり、民家の窓ガラスが割れたりした。

 気象庁によると、福知山で午後4時からの1時間で33・5ミリの雨量を記録。京都地方気象台は大雨・洪水警報を発表した。

■収穫見込み平年の4割か■

 大きな被害を受けたのは「三和ぶどう」の名で親しまれているマスカットベリーAを栽培する友渕の大原野開発生産組合(高根利数組合長、11戸)の約1ヘクタールのブドウ園。ブドウ棚に設けた雨よけのビニールが吹き飛ばされ、膨らみ始めた実がほとんど落ちた房も多い。出荷量は例年の4割程度になるとみられる。

 ブドウ園に苗木を植えて今年で26年目。今年は霜の影響もなく順調に育ち、5月下旬に種なしにするための1回目のジベレリン処理を終えたばかりだった。房は大きなものは15センチほどに育っており15、16両日に2回目のジベレリン処理を予定していた矢先だった。

 ブドウ園隣のクリ園で作業していた高根組合長(80)によると、午後4時過ぎに雷鳴とともに雨が降り出し、作業場に避難したが、その約5分後には横なぐりの強い雨となり、さらに10円玉ほどのひょうが降り始めて、30分ほどの間に2、3センチ積もったという。

 5時前に雨が小康状態となり、ブドウ園に出かけてみると、長さ50メートル近いブドウ棚72列のうち、26列のビニール屋根(厚さ0・05ミリ)や周囲のネットなどが吹き飛ばされていた。房の多くは実が落ち、屋根が残っている場所の房も下部が傷み、多くが商品にならない状態になっていたという。

 現在、組合員が総出で、残った房から傷んだ実を一粒ずつ取り除く作業に追われている。
0613hyou.jpg
 高根組合長は「昭和28年(1953)にもひょうで麦、タバコなどに被害が出たことがあるが、今回はそれ以上に深刻。傷んだ幹に雑菌が入る恐れがあり、消毒をする必要があるかもしれない。今年は例年以上の収量を期待していただけに、ショックだ」と顔を曇らせた。

 このほか、三和町内ではイチジクのガラス温室2棟600平方メートルの屋根が損壊。家庭菜園の野菜などに被害があった。人的災害はなかった。市はさらに被害調査を進めている。

■菟原下で民家窓ガラス割れ 長田野で倒木■

 ひょうの影響で、三和町菟原下にある民家の2階窓ガラス2枚が割れた。住人らにけがはなかった。
0613touboku.jpg
 長田野の国道9号では、午後4時30分ごろ倒木があり、同5時40分ごろまで撤去作業が行われた。

 また三和町菟原下で、強風のために市道のカーブミラーが倒壊した。同町田ノ谷でも、市道2カ所で小規模の土砂崩れがあったが、人的被害はなかった。


写真上=実がほとんど落ちた房を見て残念がる高根組合長
写真中=雨よけの屋根やネットが吹き飛ばされたブドウ園
写真下
=長田野の国道9号で倒木の撤去作業が行われた

    

[PR]



株式会社両丹日日新聞社 〒620-0055 京都府福知山市篠尾新町1-99 TEL0773-22-2688 FAX0773-22-3232

著作権

このホームページに使用している記事、写真、図版はすべて株式会社両丹日日新聞社、もしくは情報提供者が著作権を有しています。
全部または一部を原文もしくは加工して利用される場合は、商用、非商用の別、また媒体を問わず、必ず事前に両丹日日新聞社へご連絡下さい。

購読申込 会社案内 携帯版 お問い合わせ