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両丹日日新聞2014年1月 2日のニュース

もっちりした食感で戦後から人気 福知山のB級グルメ「ゴム焼きそば」

ゴム焼きそば
 もっちりとした食感と、茶色い麺が特徴の「ゴム焼きそば」が福知山市内のお好み焼き店でメニューとして出されている。戦後から続いている味で、最近ではテレビや雑誌などで福知山のB級グルメとして取り上げられて話題になり、市外からわざわざ食べに来る人もいる。

■中国で食べた広東麺に魅せられ麺作り 東中ノ町の神戸焼■

 ゴム焼きそばは、東中ノ町のお好み焼き店「神戸焼」の元店主、故・永井孝三郎さんが、戦時中に中国で食べた広東麺のおいしさに魅せられて、戦後に自分の店で出したのが始まり。市内の製麺所と一緒に麺作りを研究し、自家製の広東麺を生み出した。

 現在は、厚中問屋町の有限会社高見製麺所(高見英雄社長)が作る麺を使う。永井さんが亡くなってからは、家族がその味を受け継ぎ、今は店を切り盛りする3女の杉田絹子さん(68)がゴム焼きそばを作る。

■手間がかかる麺作り 厚中問屋町の高見製麺所■

 麺はもちもちとした食感が売りで、高見製麺所では生麺をせいろで蒸したあと、水洗いしてもう1回蒸す。蒸し上がったら油をまぶして、弾力性のあるものに作り上げる。同製麺所は市内の7店舗に広東麺を出している。
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 高見社長(56)は「全部手作りなので、作るのに大変手間がかかります。全国的にもこのような広東麺を作っているところは少ないのでは…。市内ではゴム焼きそばを中心メニューにしておられる店もあるので、頑張って作っていきます」と話す。

 神戸焼のゴム焼きそばは、いたってシンプル。麺と豚バラ肉、もやしを一緒に炒め、ウスターソースととんかつソースをブレンドして味付け。永井さんの時代からこのスタイルで、麺のもちもち感と、もやしのシャキシャキとした歯応えが良い。鉄板に油を使わず、豚肉から出る油だけで炒めるため、しつこさがない味に仕上がっている。

 杉田さんは「お客さんの中には、麺だけ買いたいという人もいます。店の跡継ぎはなく、いつまで続くか分かりませんが、広東麺が手に入る間はずっと焼き続けたい」と話す。

 ゴム焼きそばの存在が口コミで広がり、テレビのバラエティー番組や情報雑誌で取り上げられ、京阪神から足を伸ばし、味を確かめに来る人もいる。

■北海道、九州など遠方からの来店多く 西本町のふじ■
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 西本町のお好み焼き「ふじ」は約35年前から、広東麺を使った焼きそばを提供している。ふじでは、広東麺と豚バラ肉、キャベツ、モヤシを一緒に炒めて、ウスターソースで味付けする。インターネットで店の情報が広まり、北海道や東京、九州など遠方からもたくさんの人たちが訪れる。

 店主の藤本加代子さん(64)は「こちらは何も宣伝していないのに、4、5年前からゴム焼きそばと言われるようになり、口コミで広まっていったようですね」。味については「食感がいい」と好評で、他府県から一日平均2、3人が来店するという。

■6店で推進協発足 地道な拡大狙う■

 福知山のB級グルメとしてゴム焼きそばが知られるようになり、市外からの観光客らを受け入れる態勢を整えようと、12年9月に「福知山B級グルメ・ゴム焼きそば推進協議会」を発足させた。

 協議会には市内の6店舗が加盟。広東麺を使用▽国産の豚バラ肉を使う▽厚さ10ミリ以上の鉄板で調理する−などの条件をもとに、ゴム焼きそばを出している。各店は認証店のステッカーを店に貼り、来店者たちを受け入れている。

 協議会の事務局長で、駅前町(駅北)でゴム焼きそばなどを提供する「粉もの屋」の店主、植村有志さん(63)は「一時のブームで終わらせるのではなく、地道にゴム焼きそばを広めていければ…」と望んでいる。

写真上=もちもちとした食感が魅力のゴム焼きそば(神戸焼)
写真中=神戸焼の杉田さんは父親から譲り受けた味とスタイルを守り続ける
写真下=広東麺を手にするふじの藤本さん。製麺所からたくさん仕入れている

    

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