父の遺志継ぎヒマワリで笑顔広める 府立工高の村上教諭

2023年06月21日 のニュース

 福知山市石原、京都府立工業高校の教諭が、3年前に亡くなった父親の遺志を継ぎ、ヒマワリの種の配布やプランターの設置を通じて、街中に笑顔を広げる取り組みを進めている。

 この教諭は村上祐希さん(29)=綾部市下原町=で、代表を務めるグループ「ジョイントピス」で活動している。きっかけとなったのは、父親の剛さんの思いだった。

 剛さんは2017年10月に、スキルス性胃がんと診断され、医師から余命宣告を受けた。治療に専念したが、2020年7月に、47歳の若さで亡くなった。

 剛さんは亡くなる3カ月前に、「みんなを笑顔にしたいので、ヒマワリを植えたい」と言い、綾部の自宅裏の休耕田に種をまいた。休耕田はJR山陰線のそばにあり、一面に花が咲くと、電車の乗客ら多くの人たちの心を癒やした。

 ヒマワリは剛さんの死後、後を追うように枯れたが、15キロもの種が取れた。村上さんは「ヒマワリでたくさんの人たちを笑顔に」という剛さんの思いを受け継ぎ、9月に、フェイスブックなどで知り合った仲間とジョイントピスを結成した。

 主な活動は、各地で花を育ててもらうためのヒマワリの種の配布やヒマワリを植えたプランターの設置。種はジョイントピスの活動に賛同した全国の人たちのところに送り、各地で植えてもらっている。

 プランターの設置は2年前から始め、今年は山陰線山家駅に18個、駅前にある地区の交流拠点「山家ふれあいの駅」にも16個置いた。

 村上さんが勤務する府立工の生徒たちが多く利用している石原駅にも、JRの承諾を得て設置が決まった。18日に持参し、駅舎の中ほどと入り口近くの2カ所に置いた。1個のプランターに3本の苗を植えているが、成長は早く、7月ごろに開花しそう。

 このほか福知山市内では、NPO法人「市民力支援工房つむぎあい福知山」が、ジョイントピスから託された種で育てた苗を、JR福知山駅北口の花壇に植える計画を立てている。

 ジョイントピスでは、今後、福知山市など中丹地域の人たちへの苗の無料配布も計画。村上さんは「ヒマワリは、見る人に生きる力や元気を与えてくれる。少しでも多くの人たちが花を見て笑顔になってほしい」と願う。

 問い合わせは紙面掲載の村上さんの携帯電話へ。

 

写真(クリックで拡大)=JR石原駅にヒマワリを植えたプランターを置く村上さん

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