関西花の寺霊場 観音寺で30周年記念の法要

2023年06月09日 のニュース

 境内で花を育て、参拝者らに癒やしを与えている近畿2府4県の25カ寺でつくる「関西花の寺二十五カ所霊場会」の設立30周年記念の花法要が10日、第一番札所の京都府福知山市観音寺、高野山真言宗・観音寺(小籔実英住職)で営まれる。宗派の垣根を越えて集まった各寺が今後も花で、悩める人たちを救済していきたいという気持ちを新たにする。

 霊場会は1993年3月にできた。小籔住職(71)が、観音寺の住職になりたてのころ、夫婦げんかで家を飛び出した一人の男性が、たまたま同寺を参拝。境内のアジサイを見ているうちに、むしゃくしゃした気分が次第に晴れ、「普段の穏やかな心に戻ることができた」と喜んだ。

 男性のこの言葉を聞いた小籔住職は「花で社会貢献ができないものか」と考え、関西にある著名な花の寺に呼びかけ、霊場会の設立に至った。

 寺はアジサイで有名な観音寺のほか、ミツバツツジの楞厳寺(綾部市)=第二番=や沙羅の應聖寺(兵庫県福崎町)=第八番=、ボタンの金剛寺(奈良県五條市)=第二十三番=などで、各寺では丹精込めて育てた花を見に来る人を温かく迎え入れ、住職らが花説法をして、開かれた寺院を目指している。

 咲く花を求め一日にいくつもの寺を巡る人たちもいて、2020年までに25カ寺に延べ約100万人が参拝したという。

 記念法要には、各寺の住職や檀家らが出席。午前10時から営まれ、観音経や般若心経などを唱える。午後1時10分からは記念イベントで、福知山公立大学吹奏楽サークル・トゥッティの演奏などがあり、餅まき、花の種の配布もする。

 法要には一般の人たちも参加できる。また観音寺では、30周年記念の刺繍入りの御朱印を300枚限定で、授与(1枚1200円)する。

 小籔住職は「25カ寺は歴史のある寺ばかりで、これからも寺を広く開放し、花や文化財を通じて、参拝者たちに安らぎを与えていきたい」と話している。

 

写真(クリックで拡大)=観音寺では30周年記念の御朱印も授与する

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