百寿迎えても短歌に情熱「支えてくれる人に感謝」 夜久野町の藤本八重子さん

2025年04月15日 のニュース

 京都府福知山市夜久野町平野の軽費老人ホーム「ケアハウスグリーンビラ夜久野」(松本一芳施設長)で暮らす藤本八重子さんは、今月、100歳の誕生日を迎えた。百寿となった今も、普段の生活では自分の身の回りのことは自分で行い、食欲も旺盛。長年続ける趣味の短歌制作にも変わらず情熱を注ぎ、「支えてくれる人のおかげで楽しく過ごせています」と感謝の気持ちも忘れない。

藤本さんは大正14年(1925)4月4日生まれ。夜久野町今西中出身で、結婚を機に同町板生に移り住んだ。夫とともに製材所を営む一方で、畑仕事にも精を出し、大正、昭和、平成、令和と4つの時代を生き抜いてきた。

子どもの頃に遊んだ百人一首がきっかけで短歌が好きになり、大人になってからは自作の短歌を新聞社の文芸欄に投稿するようにもなった。  

両丹日日新聞にも何十年にもわたり短歌を投稿していて、現在も「夜久野やまなみ」の一員として定期的に作品が掲載されている。

また、旧夜久野町時代、町制25周年を記念して制作された町歌の歌詞は藤本さんが手掛けたもので、今でも「夜久野讃歌」として地域で歌い継がれている。

昨年12月に同施設へ入所したが、今でも身の回りのことは自分でこなし、読書や短歌などの趣味も変わらず楽しむ。

藤本さんは「ずっと健康で過ごしてこられたわけではないけれども、幸運だったこと、家族や支えてくれているみなさんのおかげで、こうして今も楽しく生きていられます」と、優しい表情を浮かべる。

入所施設で笑顔の誕生日会

同施設では月に一度、その月に誕生日を迎える人のお祝い会を開いているが、今回は100歳を迎えた藤本さんを盛大に祝おうと、特別仕様で企画した。

誕生日会は9日にあり、ほかの利用者や職員たち計15人ほどが参加。初めに松本施設長が代表して祝福の言葉を伝えたあと、料理が得意な職員が作った特製ケーキの披露や花束の贈呈があった。

誕生日ソングや夜久野讃歌を歌った後、ジュースで乾杯をして食事がスタート。ほかの利用者からは「おめでとう」「100歳ってすごいな~」などの言葉が掛けられ、藤本さんがリクエストしたエビフライや赤飯などのごちそうが詰まった花見弁当を食べて、和やかな時間を過ごした。

藤本さんはお礼のあいさつで、「普段からよくしてくれて、みなさんには感謝の気持ちでいっぱいです。言葉ではうまく言えないので、歌で伝えられたら」と、即席の短歌を披露。藤本さんの優しい人柄が伝わる一首に、周囲は温かな笑顔と拍手に包まれた。

 「長らえて奇しくも百寿の誕生日祝福されて夢のごとしも」 藤本八重子


写真上(クリックで拡大)=これまでにたくさんの短歌を作ってきた
写真下(クリックで拡大)=誕生日会で笑顔あふれる藤本さん(右)

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