「桑の葉のスキンケア」大学生が企業の協力得て開発 発売は7月を予定
2025年01月11日 のニュース
京都府福知山市西小谷ケ丘の福知山公立大学に通う学生ら若者3人が、桑の葉を活用したスキンケア製品の開発に取り組んでいる。三和町のメーカーと連携し、肌と心に癒やしを与えるスキンケアブランド「しるくのもと」を立ち上げ、資金調達として昨年12月27日からクラウドファンディング(CF)を始めた。
福知山市の委託を受けて公立大が開く起業家育成講座「NEXT産業創造プログラム」の新規事業に挑戦する科目で、受講生の同大地域経営学部2年、濵本菜那さん(20)は、大学の授業でグンゼ株式会社のことを学んでいたことから、福知山や綾部でかつて盛んだった養蚕業に欠かせない桑の葉に着目した。
桑の葉のエキスは保湿や抗菌の効果が期待できることで化粧品に使えると知り、同プログラムの連携企業でもある三和町のスキンケアメーカー「Lifexia(ライフシア)」=飯渕弘成社長=の協力を得て、昨年の8月ごろから商品開発を始めた。
グンゼ綾部本社 葉を無償提供
グンゼ綾部本社に相談したところ、桑の葉の無償提供を受けられることになり、洗顔フォーム、泡ハンドソープ、泡ボディソープ、オールインワン美容液といった天然由来成分100%のスキンケア製品のほか、桑の葉入りハーブティー、サプリの開発をめざしている。現在はスキンケアの使い心地をより良くするための配合のバランスなど、最終調整を行っている段階という。
このほか、同プログラムを一緒に受講する同大地域経営学部3年の菅谷快晴さん(20)がSNSでの情報発信を、同じく受講生で東京都の学生ベンチャー企業・きみとなり取締役の原田朋子さん(20)がパッケージデザインなどを担う。
CFは「奥京都の恵みがやさしく包み込む。天然100%化粧品であなたのお肌にくつろぎを。」のタイトルで、100万円を目標金額にサイト「キャンプファイヤー」で2月16日まで行う。
商品は今年7月に完成する予定。完成次第、寄付額に応じた返礼品として発送する。
濵本さんは「私にとって大きな挑戦でしたが、多くの人の助けとつながりがあり、ここまで来ることができました。このブランドを通して、お肌や優しい日常を提供するとともに地域活性化をめざしていきたい。養蚕や製糸という歴史の中で、大切に育まれてきた桑を、新しい形で次の世代につないでいけたら」と話している。
写真上(クリックで拡大)=スキンケア製品の開発に取り組む飯渕社長、菅谷さん、濵本さん、原田さん(左から)
写真下(クリックで拡大)=桑の葉を収穫する濵本さん