里山に響くハーモニー 三和町菟原の3人組ご当地音楽ユニット「ウバラッシーモ」

2025年01月05日 のニュース

 京都府福知山市三和町菟原下一地区の3人で結成し、町内各地で美しいハーモニーを響かせるご当地音楽ユニットがある。メンバーの一人は福知山署菟原駐在所の井関宏介さん(46)で、防犯や交通事故防止の啓発も絡め、演奏を披露する。ユニット名は「ウバラッシーモ」。これまでの功績が認められ、昨年11月には同署から感謝状を受けた。今後も肩ひじ張らず、“ゆるーい”スタンスで活動を続けていく。

駐在さんと女性2人 温かみある音色人気

 フルートの井関さん、ピアノの藤田まどかさん(60)、チェロの後藤信子さん(72)。2023年11月にユニットを結成し、これまでに町内の高齢者サロンや敬老会など8カ所に招かれ、3人の人柄と同じように、温かみのある音色が人気を集めている。

 井関さんは、23年4月に菟原駐在所へ赴任する以前、府警音楽隊に所属しフルートを担当していた。異動後は、地域に早く溶け込むため、フルートをフル活用。有線放送で流す自己紹介でも「ふるさと」を吹くなど、さまざまな場面で腕前を披露している。

 藤田さんは、保育園年中からピアノを始め、中学の音楽教諭になろうと、大学は教育学部の音楽科に進学。「ずっとピアノに触れていられる仕事を」と方向転換し、卒業後は夜久野町の実家でピアノ教室を始めた。現在は、実家のほか三和町の自宅でも教室を開く。

 後藤さんは、長年ソフトテニスを続けていたが、ひざを痛めて手術し引退。「座ってできる趣味はないか」と探し、チェロに行き着いた。それから20年ほど熱中。舞鶴、綾部、福知山のアマチュアオーケストラ「MAF管弦楽団」に所属していて、月2回の練習に励んでいる。

図書館三和分館移転イベントを機に結成

 井関さんと藤田さんは、23年6月からコンビで活動していて、市立図書館三和分館の移転オープンイベントの出演依頼を機に、藤田さんが友人の後藤さんを誘い、ウバラッシーモが誕生した。

 それから藤田さん宅のレッスンスタジオで、3人での練習が始まった。最初は息が合わず、「落ち込んだまま練習を終える日もあった」と後藤さん。しかし、24年1月の本番に向けて、それぞれが猛特訓を重ねた。

 当日、井関さんは「めちゃくちゃ緊張した」というが、童謡メドレーや「糸」など4曲を披露し、来館者から好評を得て大成功に終わった。

 これで活動への弾みがつき、出演依頼が舞い込むように。その都度スタジオに集まって練習し、今では「瀬戸の花嫁」や「ハナミズキ」「川の流れのように」など、レパートリーは17曲にまで増え、息もばっちり合うようになった。

 10月には、府警音楽隊とのコラボ演奏を三和荘で披露。3人は「音楽隊の動画を見ながら練習し、本番に臨みました。当日はリハーサルなしのぶっつけ本番で、ドキドキしましたが、うまく合わせることができ、貴重な機会になりました」と喜び、活動の幅を広げている。

 「川の流れのように」を演奏するときは、「おだやかにこの身をまかせていたい」の歌詞をもじって、「詐欺の電話に身をまかせないように」と小ネタを挟むなど、曲に合わせた楽しい防犯啓発も。そんな活動が評価され、11月に福知山署の奥雲渉署長から、ウバラッシーモに感謝状が贈られた。

 「3人での演奏は緊張もしますが、楽しい部分が大きいです。地域に根付いた活動で、知名度も上がってきていて、みなさんに喜んでいただいていることが、とてもうれしい」と井関さん。藤田さんも「今後も演奏依頼がある限り、活動を続けていきたい」と話している。

写真(クリックで拡大)上から
・のどかな三和の里山で活動するウバラッシーモ
・フルート担当の井関さん
・ピアノ担当の藤田さん
・チェロ担当の後藤さん
・藤田さん宅のスタジオで練習する
・府警音楽隊とのコラボも実現(三和荘で)
・福知山署から感謝状を受けた

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