地域の魅力を探ろうと歴史散歩 夜久野高原で宮カフェが開催
2024年06月21日 のニュース
地域の魅力を再発見しようと、京都府夜久野町の夜久野高原で歴史散歩をする会が開かれた。主催したのはJR上夜久野駅の近くで住民の交流の場となっている宮カフェ(宮崎葉子店主)。地域の歴史に詳しい藤原進さん(75)=同町小倉=の案内で18日に開き、市内外から25人が参加した。上夜久野地域の西垣、宮垣地区を巡り、地元住民の協力も得ながら普段は入れない場所や貴重な文化財などを見て回った。
歴史散歩はこれが5回目。「長く住む上夜久野だけど、自分が知らない見どころがもっとあるはず」と考えた宮崎さん(63)が藤原さんに相談し、どうせやるなら誰もが気軽に参加できて、地域の魅力を発見できる機会に-と、2年前に初企画。これまで夜久野高原八十八カ所石仏巡り、奥水坂地区の散策など毎回内容を変えて続けてきた。
今回の歴史散歩では、藤原さんの解説を聞きながら西垣の高台にある高源寺跡、応仁の乱の夜久野合戦で討ち死にしたと伝わる直見城主・直見大膳の墓などを回った。
休憩をとったあとは宮垣の天満神社へ。上夜久野地区公民館長の衣川聖さん(60)が案内人として加わり、同神社の樹齢300年以上のイチョウの巨木、毎年秋に住民たちが扮する力士たちが土俵上で歌う相撲甚句を紹介。祭りで身につける化粧まわしも見た。
また、年に2回しか開けない覆屋も開放し、中の本殿を参加者たちが見学。本殿には江戸時代の龍の彫り物師として有名な中井権次一統の彫刻もあり、めったに見ることができない貴重な文化財をカメラに収めていた。
このほか、宮垣自治会が管理し日ごろは非公開としている国の重要文化財・釈迦如来坐像も見学し、参加者たちは案内人の説明に熱心に耳を傾けていた。
夜久野町駅前出身の男性(78)は「20代中ごろまで夜久野で暮らしていましたが、知らないことも多かったです。貴重な文化財も見られてありがたい」と話していた。
宮崎さんは「今回も多くの人に参加してもらえてよかったです。地域の方たちには当日の案内役のほか、コースの草刈りなども快く協力していただきました。みなさんに支えられて素敵な会になったと思います」とうれしそうに話していた。
写真(クリックで拡大)=普段は見られない天満神社の本殿も見学した