新文化ホール説明会 市長が「再検討」の思い語る

2024年04月27日 のニュース

 新文化ホール基本計画の再検討を発表した京都府福知山市は26日、今後の進め方や基本計画について説明する市民説明会を、市役所隣のハピネスふくちやまで開いた。会場、オンライン合わせて126人の市民が参加。「基本計画の全てを対象に再検討をしていきたい」という大橋一夫市長の声に耳を傾け、計画への疑問や自身の思いなどをぶつけた。

 老朽化した中ノの市厚生会館に代わる施設にと、市は新文化ホール整備事業を進め、検討委員会を立ち上げて基本構想、基本計画を策定。「文化振興を推進する新しい拠点」を基本理念に、厚生会館と同じ場所で新文化ホールに建て替えて整備することが決まったが、計画に示された座席規模、場所などに一部の市民から反対の声が上がっていた。

 基本計画を巡っては、市民団体が「計画見直しの賛否を問う住民投票の条例制定」を求める署名活動で有効数7700人分を集め、市に本請求をした。先の市議会3月定例会でも議員の意見を二分して混迷を極めている。大橋市長は議会会期中の3月26日に、基本計画の再検討を急きょ発表。市民説明会を開くことにも触れていた。

 説明会では大橋市長が「新文化ホールは市民生活を豊かにしていくために整備するものです。できるだけ多くの理解を得ることが大切と考え、基本計画の再検討を発表しました。今後、新たに再検討委員会を設置し、市民懇談会なども開きながら、基本理念は大切にしつつ、機能、規模、場所、スケジュールなどを再検討したいと考えています」と伝えた。

 市文化・スポーツ振興課の課長は、基本計画ではホール機能▽創造活動機能▽交流機能をもった施設をめざしており、基本設計はまだ始まっていない段階であることなどを説明。今後については「7月から再検討委員会(5回程度)、8月から市民懇談会(3回程度)をそれぞれ実施し、来年1月に再検討結果の整理、再検討についての市民説明会を開く」とした。

 参加者からの質疑応答は1人1問形式で30分ほどの時間が取られ、多くの市民が質問に立った。

 「言葉を『見直す』ではなく『再検討』としている意図は」「600席程度の座席数でどう利益を出すのか」という質問には、大橋市長が回答に立ち、「今の基本計画策定時にも多くの市民の意見をいただいている。そうした思いを全く無しにするという話ではなく、それらも含めて検討していただきたいという意味で『再検討』とした」「地方都市で黒字経営のホールというのはかなり厳しい。赤字黒字という問題はあっても、市民生活が文化を通じて豊かになり、自分たちで使っていけるホールが必要だと思う」と伝えた。

 質疑応答は徐々に白熱。「舞台芸術に特化したホールと聞くが、前提がおかしいのではないか」「検討委員会の中で上がった反対の声が反映されていないように感じる。住民投票の実施を」などの声も上がり、市側は「文化関係者の声を多く聞いてきた側面はある。そうした部分も含め、今後の再検討を進めていく」とした。

 また、「市民の間で分断が進み、新文化ホールについて意見を言うことが怖い空気を感じています。建設的に話し合いを進めるための考えは」という質問もあった。

 市は今後、同様の説明会を旧3町会場とハピネスふくちやまで計4回実施する。

 

写真(クリックで拡大)=市民からの質問に耳を傾ける大橋市長(左)ら

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