【敬老の日】福知山の元気なお年寄り(4) 闘病経て傘寿記念に槍ケ岳登頂 今井登惇さん
2023年09月19日 のニュース
18日は、社会に長年貢献してきた高齢者を敬愛し、長寿を祝う敬老の日。これに合わせ、各分野で活躍がキラリと光る、元気な京都府福知山市内のお年寄りを紹介する。最終回は北小谷ケ丘の今井登惇さん。
■がんに負けず、ハツラツと登山続ける
京都府福知山市北小谷ケ丘の今井登惇さんは大病を抱えたものの、80歳を迎えた今もハツラツと登山を続けている。夏には傘寿記念で北アルプス(飛騨山脈)の鋭峰、槍ケ岳(標高3180メートル)に登頂した。山頂では見知らぬ登山者たちからも祝福されて「最良の思い出になりました」と喜んでいる。
今井さんは体を鍛えることが趣味で、30代からフルマラソン、50代からは100キロのウルトラマラソンに挑戦してきた。けがもあって60歳で山登りに切り替え、最初は一人で国内の山々を体力任せに巡ったが、単独登山には限界があると、65歳ごろに福知山山の会に入会した。
仲間と行く楽しさに目覚め、山登りにどんどんはまっていった。70歳を過ぎて進行がんの診断を受けたが、闘病生活を経て、また山へ戻った。
70代でのキリマンジャロ(アフリカ、標高5895メートル)をめざしていたが、海外渡航ができない新型コロナウイルス禍の3年間で機を逃し、その間に体力的にも厳しくなって断念。気持ちを切り替え、次の目標としたのが「傘寿槍ケ岳登頂」だった。
登山仲間3人と7月24日に挑み、7時間30分を費やし、ほぼ絶壁の上にある山頂に立った。天候に恵まれて風はなく、360度広がる自然の絶景をかみしめた。登頂記念の横断幕を掲げると、見知らぬ登山者たちからも拍手喝采を浴びた。
照れ臭かったけど、うれしかったと振り返る今井さん。「まずは仲間に感謝して、山頂で出会ったみなさんにもありがとうです。次は85歳でどこに登ろうかと考えています」と意気込む。
写真(クリックで拡大)=槍ケ岳山頂で記念の横断幕を掲げる今井さん