台風7号:ハウスにも濁流 収穫絶望的、農業継続に迷い
2023年08月22日 のニュース
強い台風7号の影響を受けた地域は農作物への被害も深刻だ。京都府福知山市大江町二箇下では、これから収穫の時期を迎える予定だった作物に大きな被害が出た。
二箇下は14日から15日にかけての豪雨で近くを流れる小河川が氾濫。一帯の田んぼや畑に土砂などが流れ込んだ。この地域で京のブランド産品「万願寺甘とう」(万願寺トウガラシ)や米を育てている大槻重明さん(83)も大打撃を受けた一人。
3・3アールほどのビニールハウスで育てていた万願寺甘とうは、枝葉が水につかるほどの濁流が押し寄せた。水が引いた後も土砂が畝を覆っていたため、栽培する260本が全て根腐れをおこし、「今季の収穫は絶望的」という。
周囲の田んぼなどにも大きな被害が出ていて、大量の泥やゴミが田んぼに流れ込み、稲が倒されたほか、獣害対策用に設置していた電気柵なども破壊された。復旧のめどは立っておらず、途方に暮れている。
大槻さんは「収穫目前の作物が駄目になったのも残念ですが、流れ込んだ土砂やゴミを撤去するのが本当に大変。住民同士で協力して片づけていますが、今後もこのような災害が起こる可能性があると思うと、農業を続けるかどうかも家族と話しています」という。
写真(クリックで拡大)=大槻さんの万願寺畑。枝葉に水がついた跡が残る