エアコン無い時代の工夫 丹波生活衣館で展示
2023年07月29日 のニュース
日本の夏を快適に過ごすため、エアコンや網戸などが無い時代には、自然の風を室内に取り込み、浴衣を着て暑さをしのいだ。そんな工夫を紹介する夏季企画展「涼を楽しむ」が、京都府福知山市内記一丁目、市丹波生活衣館(横山晋館長)で開かれている。かつては夏に欠かせなかった浴衣や手拭いなど約50点を展示している。入館無料。
浴衣は昭和初期から中期にかけて普段着として着用した大人と子ども用の約10点が並ぶ。吸水性に優れた紅梅ボイルという高級生地で作られた浴衣もあり、薄く透き通った生地は、見た目にも涼やかで、気軽なよそゆきにもなった。
手拭いは手や顔を拭いたり、日除けやほこり除けとしても活用され、庶民の生活に広く浸透していた。今回は約30点を展示。企業が作った手拭いのほか、教育勅語の全文を記したものもある。
また蚊に刺されないよう寝床を覆う道具の蚊帳も実際につるし、訪れた人たちが中に入れるようにしている。
このほか植物のアシ(ヨシ)の茎で編んだ「よしず」や風鈴、行水のためのたらいなども展示し、涼を取るための工夫を紹介している。
同館では「限りある資源を効率的に活用する循環型社会への関心が高まる現在、こうした日本文化の中に、今の暮らしに生かせるヒントがあるかもしれないので、ぜひ見に来てほしい」と呼びかけている。
会期は8月31日まで。時間は午前9時から午後5時まで。火曜休館。8月7、9日は臨時休館する。
写真(クリックで拡大)=浴衣や蚊帳など約50点を展示している