不審火で全焼した愛宕神社 再建したいと地元

2023年06月27日 のニュース

 不審火で本殿などが全焼した京都府福知山市前田の愛宕神社で、焼けた柱などの撤去作業が進んでいる。今後、総代が呼びかけ、委員会を立ち上げて再建に乗り出す予定だが、相当な資金を工面する必要があり、現段階では計画は白紙の状態という。

 京都市内の愛宕神社の分霊をまつり、創建410年余の歴史がある。火除けの守護神として広く信仰を集め、江戸時代には歴代の福知山藩主による手厚い保護が続いた由緒ある神社。人びとから「あたごさん」と呼び敬愛され、大祭の日には市内外から参拝がある。現在は前田、土師両地区で大切に管理している。

 15日夜の火災時には多くの消防車両が駆けつけて消火にあたったが、火の回りが早く木造の本殿、幣殿、拝殿3棟を全焼した。

 焼失した木材などの撤去作業は、26日から始まった。神社全体が焼けたため、この日も焦げた臭いが残るなか、市内の土木建築業者が作業を進めた。参道の階段は約160段あり、ふもとから社殿までは坂道が続くため2日ほどかけて重機を搬入したという。

 作業には総代5人が立ち合った。御神体だけでも残っていればと、懸命に探したものの見つからず、かろうじて残っていた拝殿の本坪鈴を安全な場所に移したり、焦げたさい銭を水で洗うなどしていた。

 今後、総代らが自治会の長老や元総代らを中心に声をかけ、再建委員会を立ち上げることにしている。再建資金を集める方法や着工時期は未定。

 前田地区の神社総代世話役、土手隆晴さん(73)は「(放火だとすれば)自分勝手な動機で、地元住民らに親しまれ大切に守られてきた神社を燃やすのはもってのほか。再建は必ずしたいが、防犯対策を十分に考えたい。多額の資金が必要になるので、多くの方々に寄付をお世話になれればうれしい」と話している。

 愛宕神社の火災を含めて、この約1カ月間に付近では6件の不審火があり、うち近くのホームセンターでの1件については、市内在住の男子大学生(19)が建造物侵入・建造物等以外放火の疑いで逮捕されている。福知山署などはすべての火災に関わったかを慎重に調べている。

 

写真上(クリックで拡大)=無残な姿になった神社で焼けた柱などの撤去作業が続く
写真下(クリックで拡大)=焼け残った鈴

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