福知山城にギオンシダレ 「咲かせよう会」が植樹
2023年02月28日 のニュース

福知山城を桜の名所にしようと植樹を続ける「お城に花を咲かせよう会」(吉田博会長)は26日、京都府福知山市内記一丁目の城で桜の苗木1本を植えた。市民からの浄財で購入したギオンシダレザクラで、会員や地元の子どもたちが「きれいな花を咲かせて」と願いを込めて土をかけた。
かつて城周辺に100本以上あった桜は、枯れたり工事による伐採で半分以下に減少。城を再び桜の名所として復活させようと、2017年に市民有志で「咲かせよう会」が生まれた。
会はこれまで、日本各地の老桜などを見守る桜守の佐野藤右衛門さんから寄贈を受けた1本を含む計2本のシダレザクラを城で植樹。上柳の府道沿いにもベニシダレザクラを植えている。
下部組織として「目指せ『桜の城』実行委員会」(芦田敦嗣実行委員長)もつくり、市民から基金への協力を呼びかけていて、今回の苗木はこの基金を活用して購入した。
植樹式は本丸前で行われ、会の関係者や地元住民ら約40人が参加。吉田会長(72)が「今回植えるのは京都市の円山公園にあるギオンシダレザクラの三代目にあたる由緒ある木で、今後も福知山城が大きな観光地のひとつになるよう活動を続けたい」とあいさつした。
来賓の大橋一夫市長は「来城されるお客さんたちを迎えるこの場所で、春に咲き誇るギオンシダレザクラを城の新しいシンボルとして長く見守っていきたい」と述べた。
このあと出席者らがスコップで高さ約5メートルの木の根元に丁寧に土をかぶせた。参加した惇明小学校4年の中川航君=内記一丁目=は「きれいな花を咲かせてほしい。桜が咲いたら見に来たい」と話していた。
写真=本丸前に植えられたギオンシダレザクラ