夜久野に貢献 「銀河鉄道999」松本零士さん死去
2023年02月21日 のニュース
世代を超えて親しまれたSF漫画「銀河鉄道999」などの作者で、京都府福知山市夜久野町と縁がある漫画家、松本零士(本名・晟=あきら)さんが13日午前11時、急性心不全のため、東京都内の病院で亡くなっていたことが分かった。85歳だった。
松本さんは福岡県久留米市出身。日本を代表する漫画家で「宇宙海賊キャプテンハーロック」など多くのヒット作がある。宝塚大学教授、京都産業大学客員教授などを歴任。旭日小綬章、紫綬褒章などを受けた。夜久野との縁から京都府文化観光大使も務めた。
「銀河鉄道999」が生まれた背景に、戦後の10年間を夜久野の美しい星空を眺めながら過ごした京都産業大学の創始者、荒木俊馬氏(1897~1978)の存在がある。松本さんは、荒木氏が執筆した子ども向け天文入門書「大宇宙の旅」を少年時代に読み、「銀河鉄道999」の着想につながった。
同町では「銀河鉄道999」を町の活性化に生かしたいと、2002年、有志が「夜久野星空の会」を結成。松本さんも2度訪れて講演した。04年から6回続いた銀河鉄道999ポスターコンクールの審査委員長も務めた。
夜久野ふれあいプラザ内には、「銀河鉄道999その心の生れた夜久野」とキャッチフレーズを記した直筆の色紙や寄贈作品が飾られている。
松本さんは生前、「夜久野は私の大恩師、荒木先生が第二の古里と言われたところ。執筆された本が、私を漫画家へと導いてくれた。夜久野は私の始発駅であり、大切なところです」と語っていた。
■悲しみ抑え切れない 夜久野星空の会代表■
訃報を受け、夜久野星空の会の衣川タカ子代表(73)は「宇宙を舞台にしたSFアニメブームを巻き起こし、世界の子らに夢を与えてくださった偉大な方。忙しい時間を割いていつも優しく接してくださり、思い出が多くて悲しみが止まりません。きっと、列車999号に乗ってメーテルや鉄郎と広大な宇宙の旅をされているでしょう」と涙ながらに語った。
写真=衣川代表と松本さん(19年の府文化観光大使委嘱式)