要配慮者の避難支援探る講演会 市民レスキュー隊、搬送の仕組みづくりなど
2023年02月15日 のニュース

福知山市民でつくる「シェア福知山会議」(森孝道代表)は11日、京都府福知山市西小谷ケ丘の福知山公立大学で、「災害時の要配慮者の避難について」がテーマの講演会を開いた。約20人が参加し、市の態勢や住民主体の新しい支援の動きなどについて話を聞いた。
同会議はより良いまちづくりを目指して勉強会などを開いており、子育てや福祉、経済といった幅広い話題を扱っている。
講演会では初めに、市危機管理室の森下邦治室長が、避難時の要支援者は今年1月時点で3213人が登録しており、このうち1837人が、災害時に自宅がリスクにさらされることを説明。自助、共助、公助の3つが融合した避難支援を考えることが大切だとした。
福知山有償運送ネットワークの西田好孝代表は、「有償運送ネットワークの活動概況と今後の展望(構想)」を題に話し、「有償運送ネットワークは、市内のどこに住んでいても暮らし続けられる移動手段を提供する仕組みづくりが目的です。災害時の要配慮者を搬送する仕組みづくりもしていきたい」と伝えた。
搬送や介護技術などの講習会の実施や、専門の特別チームを作って市民レスキュー隊として活動すること、水害に悩む自治会や自主防災組織と連携していく-といった構想を紹介。求められる搬送技術や道具、活動の課題点などを参加者と共有した。
講演後にはパネルディスカッションもあり、森下室長、西田代表や自治会代表者、公立大生らが、実事例や活動報告などを交えながら話し合い、要配慮者の避難について考えた。森下室長は「大学生と防災活動で連携を深めていきたい。また、要支援者の搬送について、有償運送ネットワークの提案は心強く、活動に期待しています」とした。
写真=住民主体の避難支援について話す西田代表