市の空き家バンクに不動産業界が協力 安心して契約結べるようにと
2023年02月11日 のニュース

移住希望者と空き家所有者の橋渡しをする「空き家情報バンク」を設けている福知山市は、京都府内で不動産に関わる公益社団法人2団体と「市の移住定住施策に関する連携協定」を8日に結んだ。これまで市は橋渡しをするだけで、契約については売り主と買い主の当事者同士で話し合ってもらうだけだったが、今後は専門知識を持った人が間に入ることで、安心感が増し、利用拡大につながるものと期待されている。
市は2009年度から、空き家の販売、賃貸を考える所有者が、移住希望者へ物件情報を発信できる「市農山村地域空き家情報バンク制度(空き家情報バンク)」を運営してきた。初年度の空き家の登録は4件、売買や賃貸の成約はゼロだったが、その後増えて今年度は、昨年12月末時点で登録47件。売買・賃貸の成約件数は24件となった。
昨年度には、過去最大となる27世帯71人が制度を利用して移住した。30代、40代といった若い世代の利用も多い。
利用が増えるにつれ、中古物件のリスクに対する知識、問い合わせへの対応など市職員に高度な専門性が求められるようになり、専門家の協力を得ることにした。

協定を締結したのは京都府宅地建物取引業協会(伊藤良之会長)と全日本不動産協会京都府本部(坊雅勝本部長)。両団体とも、市内の複数の企業が加盟している。
今後は空き家売買や賃貸の仲介をする協力員に、市内に事務所を置く不動産企業などから専門知識を持つ人材を登用し、利用者がより適正な取引が出来るようにする。また、空き家活用施策への協力、空き家情報バンクの利用拡大などでも連携する。
締結式では、伊藤会長、坊本部長、福知山を管轄する両団体の支部長らが出席。大橋一夫市長は「移住を考える人にとって、福知山での暮らしの第一歩となる住まいの確保が円滑に進むよう、不動産取引の適正化と安心安全の向上をしていきたい。ご支援、ご協力をお願いします」と述べた。
伊藤会長、坊本部長があいさつに立ち、伊藤会長は「相談員の派遣、成約業務などで連携し、最大限の協力をしていきたい。多くの方が福知山に住まわれることを願っています」と伝えた。
このあと、各代表が協定書に署名し、今後の協力を誓い合った。
写真上=コロナ禍に現地を見学できない遠方の見学希望者に、タブレットで空き家情報バンクの物件を紹介する市職員
写真下=協定書を持つ伊藤会長、大橋市長、坊本部長ら(中央左から)