働くイメージ膨らます 北部初、府の無就業者向け体験ツアー
2024年09月12日 のニュース
ひきこもりや長期の無就業状態の人を対象に、京都府主催の就労体験ツアーが11日、福知山市内であった。府北部への移住就労に関心のある20~50代の男女12人が参加し、市内の事業所などでの見学や就労体験をし、就業へのイメージを膨らませた。Lコネクト(府つながる・学ぶ・働く支援センター)が運営した。
Lコネクトは、府商工労働観光部の公的事業として2020年に設立。就労意欲があっても働けていない人を対象としたカウンセリング、段階的な就業プログラムを通じた支援を行っている。
府北部への体験ツアーの実施は今回が初めて。無就業者と人手不足に悩む地元企業の結びつきを願う福知山市商工会が協力して、参加企業を呼びかけたところ、「働く意欲のある人たちの社会進出のきっかけになれば」と、市内3社が賛同して就労体験を受け入れた。
同日朝、京都市内をバスで出発した一行は、三和町下川合の京都庵で、いなりずし作りや食品の品質管理の体験をした後、夜久野町小倉の夜久林業(夜久保徳社長、7人)に移動。民家の庭に茂った木の伐採作業を見学した。
庭木の伐採のほか、電力会社の依頼を受けて、高圧電線にかかる恐れのある山中の樹木伐採などを行う同社。夜久社長(61)は「木を切るという単純な作業でも、少しのミスで大規模停電などにつながるリスクもあります。技術と責任が求められる仕事ですが、同時に大きなやりがいを感じられる」と語った。
参加者は実際の作業を見学しながら、使用する道具の説明などを聞き、「女性でも働けますか」「未経験でも大丈夫ですか」などと積極的に質問をしていた。
参加した男性(27)=向日市=は「実際に体験や見学をすることで、話を聞くだけでは分からない、そこで働く具体的なイメージが湧いてきました。ツアーとして複数の企業を見られるのもよかった」と話していた。
夜久社長は「普段はあまり関心を持たれない林業という仕事を知ってもらうよい機会になった。うちも人手不足なので、1人でも興味を持ってくれる人がいたらうれしい」と期待を寄せていた。
このほか、一行は大呂の京都大呂ガーデンテラスでも就労体験をしたあと、与謝野町に移動し、府北部への移住に関する説明を聞くなどした。
写真(クリックで拡大)=夜久社長(右)から仕事内容などについての話を聞いた