今も残るトンネル通って 旧北丹鉄道の廃線跡ウォーク
2022年10月14日 のニュース

かつて京都府福知山市の旧市域と旧大江町間を運行した「北丹鉄道」の廃線跡ウォークが12日、市内で開かれた。京都市、大阪府などからの参加者たちが、今も残るトンネルなどを約5時間かけて巡り、北丹鉄道の歴史に触れた。
北丹鉄道は1923年(大正12年)に、福知山駅~河守駅の12・4キロ(8駅)で開業。沿線住民の足となり、旧河守鉱山の鉱石なども運んだが、自動車の普及などが原因で、71年に営業を休止した。
旧鉄道の歴史を知ってもらい、地域活性化に結び付けようと、福知山観光協会とJTB京都中央支店が連携して、廃線跡ウォークを計画。10月12、19日と11月13、16日の日程で開くことにした。
初回のウォークには10人が参加。JR京都駅からバスで、旧北丹福知山駅が隣接していたJR福知山駅へ到着。大江町河守を目指して歩いた。
廃線跡には、鉄橋や橋台などが残っていて、福知山観光ガイドの会と大江地域観光案内倶楽部の会員が遺構を解説した。
現在歩行者用となっている公庄の「日藤トンネル」には、鉄道員の待避所があり、レンガ造りの遺構をじっくりと見学した。
全員が旧河守駅跡周辺までの約14キロを無事完歩した。帰りは近くにある京都丹後鉄道大江駅から列車に乗り、福知山駅まで戻った。
参加者の谷口恵太郎さん(62)=京都市南区=は「歩いてみると、距離が長い鉄道だったことが分かりました。(廃線跡には)トンネルが残っていたりして、興味深く歩くことができました」と喜んでいた。
写真=日藤トンネル内の待避所を見る参加者たち