SL運転していた鉄道OBたちがC58磨く

2022年10月13日 のニュース

 旧国鉄時代からSL運転などに携わってきた人たちで組織する福知山SL保存会(松山美昭会長)はこのほど、京都府福知山市広小路通りの福知山鉄道館ポッポランド2号館で、静態保存される蒸気機関車「C58 56」の清掃奉仕活動をした。巨体の外側だけでなく、長年乗務した運転台まで丁寧に磨き上げた。

 「C58 56」は1939年(昭和14年)に製造され、炭水車を含むと長さが18メートルで、高さも約3・9メートルに及ぶ。約30年間で約186万キロを走った。福知山機関区に配属されて約9年間は舞鶴線などで活躍した。引退後に昭和新町の西駅公園で展示されていたが、99年に2号館へ移設展示された。

 清掃作業は定期的に実施しており、今回は25人が参加した。参加者は作業場所を分担し、全体をから拭きして汚れを落としたあと、油をしみ込ませた布を手に、動輪や動輪をつなぐ連結棒、煙突など隅々まで磨き、黒光りさせた。

 運転台には、炭水車に積まれた石炭をスコップでボイラーに投入する焚口戸や加減弁ハンドル、逆転機、ブレーキ弁などの操作部、圧力計、水面計などの計器類が並ぶ。参加者は運転していた当時を振り返りながら丁寧に磨き上げていた。

 SLからディーゼル機関車に移る過渡期に旧国鉄に就職した松山会長(75)は「上り勾配では石炭を絶やさずに投入する必要があり、想像を超える暑さで過酷な作業でした。来夏に開館する新しい鉄道館1号館には機関助士を体験できるコーナーができるそうなので、ぜひ訪ねてみてください」と話していた。

 

写真=運転台の複雑な機器類を清掃する保存会の会員

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