スイカがぶら~り 福山ファームがハウスで空中栽培

2022年07月19日 のニュース

 京都府福知山市戸田の農園、福山ファーム(福山壽代表)が、今年からスイカの空中栽培を始めた。ビニールハウス内にぶらりと下がるのは、種まで食べることができる小玉品種「ピノ・ガール」。福山代表は「味は抜群。実が宙に浮かぶ光景がインスタ映えして人気が広まることを願っています」と語る。

 人気のイチゴに加え、「観光農園として新たな名物に育てたい」と導入したのが空中栽培によるスイカ。ビニールハウス2棟の両脇に5月下旬、約100株の苗を植えた。その後、飼っているミツバチを放して受粉作業を進め、天候にも恵まれて張り巡らしたネットにつるが誘引され、天井に向かってぐんぐん伸びた。

 ビニールハウス内には、直径10センチ~15センチ前後で重さ1・5キロ程度の、縦長楕円形の実がぶら下がっている。空中栽培のため実を返さなくても色が均一で見た目が良い。

 開発されてまだ5年ほどの新しい品種。「種は通常の大玉スイカの4分の1ほどと小さく、苦みがなく食べても存在をあまり感じません。果肉の糖度は13~14度と甘く、スイカの命といえるシャリシャリ感は格別」と食感には自信をもつ。

 収穫は7月中旬から8月上旬までの予定。400個を見込んでいる。

 直販所で、大玉スイカとともに並べて販売し、来園者の収穫体験もする。入園料はとらず、それぞれ好きな実を収穫して購入してもらい、持ち帰ることができるようにする。

■主力のイチゴは13棟のハウスで栽培■

 福山さん(75)は元市職員。55歳で早期退職して、1984年から果物や野菜の栽培を始めた。農園の総面積は約4万7千平方メートルで、主力のイチゴは13棟のハウスを使い、「章姫」や「紅ほっぺ」など7品種を栽培し、12月から5月下旬にかけて収穫し、隣接する直販所で、朝に摘み取ったばかりの実を販売している。

 スイカは以前から、果皮が真っ黒で果肉は真っ赤な「ブラックジャック」など大玉の3品種を約4千平方メートルの露地で栽培している。今季は約500株を植え付け、2500個ほどの実ができると見込んでいる。

 ただ、由良川と大谷川に挟まれた現地は戸田のなかでも低地で、水害の常襲地帯。高さ約5メートルのハウスを覆うまで冠水した年が、何度もあった。

 「由良川に堤防が整備され、被害が減ればばうれしいが、大谷川などの他の河川による内水被害が心配で、不安が払拭されたわけではありません」と話す。

■生でも甘いトウモロコシ■

 トウモロコシのもぎ取り体験もでき、すでに始めている。品種は、糖度が20度程度と抜群に高い「味来」で、実をそのまま生でかぶりついて味わうことができる。「フルーツのようで、一度食べたらやみつきになりますよ」と太鼓判を押す。

 体験は8月末までの予定。土・日曜日、祝日の午後1時から3時まで。1人500円で1本が付く。直販所で販売もしている。

 農園内では他にも多彩な野菜や果物を栽培し、収穫したばかりのものを直販所に並べている。福山さんは「スタッフ10人を総動員して、味の良さを求めて栽培が難しい品種の栽培にも挑んでいます。四季を通じて来ていただける観光農園として、将来はブルーベリーやブドウなども手がけたいと考えています」と夢を語り、「自らの手で収穫した果実を味わう楽しさを感じてほしい」と来場を呼びかける。

 空中スイカ、トウモロコシとも体験は予約制になっている。福山ファーム、電話0773(27)0954へ。

 

 

写真上から
ビニールハウスの一面にぶら下がる小玉スイカ
スイカの成長を見守るスタッフの米谷誠一さん
農園一帯に並ぶビニールハウス
味が自慢のトウモロコシの畑と福山代表

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