1年の秋から一人で練習 大江高野球部土永健嗣君に最後の夏

2022年07月08日 のニュース

「やめようと思ったことは何度も」
 
 少子化の影響で若者の野球人口が減る中、福知山市大江町金屋、京都府立大江高校では、たった1人の野球部員が、甲子園をめざし、練習に励んでいる。3年生の土永健嗣君。1年の秋から一人きりでボールを追いかけ、ひたむきに野球に打ち込む。高校生活最後となる、9日開幕の全国高校野球選手権京都大会には、今年も連合チームで出場。レギュラー選手として、ありったけの力を出したいと意気込む。

 日新中学校の野球部ではセカンドを守っていた土永君。大江高校1年の春に野球部へ入部。この時は部員が5人で、ソフトテニス部員5人が助っ人になり、内野手として大会に出た。夏の大会後に3年生が卒業し、部員は2年生1人と土永君の2人だけに。9月ごろには2年生がやめ、部員は土永君1人になった。

 その後入部は無く、今年4月も新入部員はゼロ。大会などには連合チームで出場している。

 学校での練習では同校の教職員3人が指導に当たる。キャッチボールをし、ノックを受け、打撃練習もする。試合形式での練習はできないが、いつも実戦を想定して動く。

 土永君を1年の時から指導する部長の山口拓哉教諭(29)は「この3年間でたくさんの技術が身に付き、できることが増えている。その頑張りは尊敬に値します」と褒める。

 監督の神崎蓮教諭(27)も「冬のトレーニングを地道に取り組んだため、体が一回り大きくなり、パワーも付いてきた」と、その成長ぶりに目を細める。

 4月に同校に赴任し、コーチになった多賀野博講師(33)は、前任の久美浜高でも部員1人の野球部の顧問を務め、指導にあたった。「大江高でも練習でうまくいかない時は相談に乗り、モチベーションを保てるようにしています」

 部をやめようと思ったことは、何度もあるという土永君。「昔は何をするにしても長続きしませんでした。大江高校で野球部に入り、先生方に熱心に指導してもらい、続けることの大切さが分かりました」としみじみと語る。

 夏の京都大会には、須知、京都八幡、京都教育大附属との連合チームで出場する。遠方での合同練習にも積極的に参加。土永君は「レギュラーをつかんで勝ち進み、今まで世話になった先生方に恩返しがしたい。頑張ります」と誓う。

 

 

写真上=黙々と練習に励む土永君
写真下=土永君(手前)と指導する教職員たち

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