木の枝にメレンゲ状の塊作って新しい命育む 大興寺でモリアオガエルが産卵
2022年05月18日 のニュース

「モリアオ寺」と呼ばれる京都府福知山市正明寺、臨済宗南禅寺派・大興寺(有賀祖道住職)で17日、モリアオガエルの産卵が始まった。泡状の卵塊が木の枝に作られ、新しい命が育まれている。
寺の裏山周辺にモリアオガエルが生息し、毎年5月後半から、本堂そばの池の木に産卵にやってくる。
市街地に近い場所での生息は珍しいため、有賀住職(61)が、同寺の住職に就いた1988年から保護、観察を続けている。池が枯渇しないように井戸水を流し、人工孵化にも取り組む。
モリアオガエルは、池周辺にいる雄の鳴き声につられ、やってきた雌が体液を出し、雌雄でかき混ぜてメレンゲ状の卵塊を作り、中に300~500個の卵を産む。1週間~10日でオタマジャクシになり、池へと落ちる。その後40~50日でカエルになる。
今年は17日午前6時30分ごろ、有賀住職が枝の高い場所に作られた卵塊を発見した。例年と比べ1週間ほど早い産卵となった。
有賀住職は「一時は卵塊の数が減っていましたが、近年は徐々に増えてきています。こんな小さな森に囲まれた場所で産卵が見られるのは奇跡的なことで、できるだけモリアオガエルが住みやすい環境を維持したい」と話している。
産卵は6月いっぱい続くという。
写真=木の高い枝に作られた卵塊