多様な性を認め合おう 市がパートナーシップ制度の運用開始
2022年04月01日 のニュース

京都府福知山市は1日から、性的マイノリティーの2人の絆を認める「パートナーシップ制度」の運用を始めた。4月から施行された「市みんなの多様な性を尊重する条例」に基づくもの。法的な効力はないが、届け出を受け付けた2人を市がパートナーとして認め、証明書を発行する。
条例はすべての人が多様な性を認め合い、誰もが尊重される社会を目指すもの。市は職員に結婚休暇など同等の福利厚生が受けられるようにしており、民間にも同様の対応を呼びかけていく。パートナーシップ制度は府内で、京都、亀岡、長岡京、向日各市が導入しており、連携もしていく予定。条例で制度を制定したのは福知山が初めて。
届け出は18歳以上の成年に達していることなどが条件。自筆の届け出書、独身証明書、本人確認書などの必要書類とともに申請する。
申請書には、戸籍上の氏名に加えて、通称名の記入もでき、証明カードは通称名を記載して発行する。証明書には、性的マイノリティー支援や啓発の象徴でもあるレインボーカラーがデザインされていて、証明カードは市の花・キキョウをイメージした2種類を用意している。
郵送での申請も受け付けるが、証明書の交付時には本人が受け取りに行く。
条例ではほかに、性別や性自認による差別、他人が性自認などを勝手に周囲へ知らせる「アウティング」、カミングアウトの強制などの人権侵害を禁止している。
担当の市人権推進室は「全ての人が安心してパートナーと暮らせる福知山を目指したい」としており、今後は様々な啓発活動に力を入れる。
写真=戸籍上の氏名のほか、通称名も記入できる届け出書と証明書