「野球は楽しい」 知的障害者の軟式チーム、名前は「スマイル」
2021年10月13日 のニュース

京都府福知山市に、知的障害のある人たちの軟式野球同好会「中丹スマイル」がある。「勝つための野球ではなく、メンバーが楽しめるチームづくり」がモットー。週1回の練習は、真剣ながらも笑顔が絶えない。
誕生したのは18年前の10月。学童野球チームの上豊ボアーズで監督経験のある和田正文さん(62)が、知人の和久正伸さん(67)とともに立ち上げた。和田さんは長男と三男が知的障害、和久さんは次男がダウン症で、3人を含む小、中学生5人で始動した。
野球の技術が上達する以外に、集中力もつくといい、練習を始めると中丹支援学校の児童、生徒や卒業生らが相次いで加入した。昨年には過去最多の16人が所属。現在は17歳~33歳の11人が、雨天以外は毎週日曜日に午前9時から正午まで、支援学校グラウンドで練習に励んでいる。
練習のほかに年2~4試合、支援学校の教職員チームや近隣市の学童チームなどと、対外試合をしている。
メンバーの女性(23)=綾部市=は「バッティングで外野まで飛んだときが、とてもうれしいです。ずっと続けたい」。結成当初から所属する和久さんの次男、昌晃さん(31)は「野球は楽しいし、やめたいと思ったことはありません。新しい人にも入ってほしい」と話している。
年会費は1千円で、年齢制限は設けていない。事前連絡なしで見学ができる。和田監督は「一緒に野球を楽しみましょう」と呼びかけている。
写真(クリックで拡大)=練習に励むメンバー