小中学校でタブレット1人1台の活用始まる GIGAスクール
2021年04月28日 のニュース

京都府福知山市の市立小中学校で児童、生徒、教員に1人1台ずつのタブレット端末を整備し、活用する授業が始まった。タブレットでまとめた自分の考えを大型端末に映して発表したり、写真を撮影して資料を作ったりするなど、学びを充実させるツールとして全教科で日常的に使用していく。
文部科学省が全国で進める「GIGAスクール構想」に基づくもの。高速大容量の通信ネットワークと個別端末が整備された環境で、子どもや教師の力を引き出し、個々に合った学びや協働学習を進めることが目的。
市は昨年度から、市立小中学校の各教室にモニターも兼ねた大型端末、タブレットの充電保管庫、無線LANなどを整備。今年度には全ての学校で環境が整った。現在は一部の学校のみでの運用だが、早ければ5月中には全学校に広げる予定にしている。
26日、前田の雀部小学校でタブレットを使った授業があった。4年3組の理科では、春の動植物の調べ学習で活用。児童がタブレットを使って校庭で撮影した生き物や花を、大型端末で他の児童に紹介したり、名前、生態をインターネットで調べたりした。
これまで植物を絵で記録したり、図書室に行って調べたりしていた時間が短縮でき、自分の学びを深める時間に充てることができる。タッチペンで画面にすぐに文字を書くことができ、訂正するのも容易で、辻羚希君は「使うのが楽しく、ノートよりも素早く文字を書いたりできるので、遅れずについていきやすいです。他の人が書いたものも見られて参考になります」と笑顔を見せていた。
また、担任側からは提出物を手元で即座に確認でき、伝えたいことを児童全員の端末に表示させられるほか、動画を通じてオンラインでやり取りができるなど、使い方次第で指導の幅が広がる。
葦原宏校長は「今求められている教育を実現するものとして、可能性が詰まっています。教員側の実践にも差が無いようにしていきたい」と話していた。
市教委では、蓄積される学習データの分析、研究をし、より効果的な教育の実践をしていくこと、宿題など家庭に持ち帰っての活用も考えているという。
写真=タブレットを活用した授業が始まった(雀部小で)