挫折味わいつかんだ創作ラジオドラマ大賞 福知山出身の足立さん
2021年04月21日 のニュース
■NHK・FMで24日夜放送■
一般社団法人日本放送作家協会、NHK共催の「第49回創作ラジオドラマ大賞」で、京都府福知山市厚中問屋町出身の足立聡さん(44)=東京都=の脚本が、大賞に選ばれた。お笑いのコント作家をめざして上京するも挫折を味わい、ドラマの脚本を手掛けるようになり、ようやくつかんだ栄光。「やっとスタートラインに立てたという気持ち。今後の仕事につなげたい」と意気込んでいる。
創作ラジオドラマ大賞は、「ラジオドラマ作家の登竜門」とされ、今回は306編の応募があった。一次、二次審査を9編が突破し、3月4日のオンライン会議形式の最終審査で、プロの脚本家らが大賞(1編)と佳作(2編)を選んだ。
足立さんは、福知山高校を卒業後、近畿大学演劇科で学んだあと、お笑いのコント作家をめざして上京。ワタナベエンターテインメントに所属し、放送作家として5年ほど活動したが、「自分には向いていない」と事務所を辞め、途方に暮れていた。
そんな中で、舞台の脚本を手掛ける機会があり、手応えを感じた。4年ほど前からは、新たな表現の場として、ドラマの脚本を書くようになった。
今年は勝負の年と位置づけ、創作ラジオドラマ大賞に応募。「自分の作品を何が何でも世に出したい」と、死に物狂いで書き上げた。
脚本のタイトルは「手を振る仕事」。鉄道会社のPRの一環で、電車の乗客に手を振るだけの仕事をしている男が、同僚や病気の女性との交流などを通し、仕事にやりがいを見いだしていく-というストーリーが展開される。
審査員からは「手を振る仕事という切り口がおもしろい」「タイトルが良い」「独特の世界観がある」「とても心を打つ作品に仕上がっている」などと高評価を受け、大賞を受賞することができた。
足立さんは「ここからが本当の勝負。受賞をきっかけに、脚本の仕事が何本か入ってきているので、しっかり準備を進めていきたい」と話している。
受賞作を脚本にしたラジオドラマ「手を振る仕事」が、NHK・FMで24日午後10時から放送される。50分間で全1回。
写真=創作ラジオドラマ大賞を受賞した足立さん