寄付で移転再開の鉄道館 予定地を福知山城公園に変更

2021年02月03日 のニュース

 京都府福知山市は、老朽化や耐震性の問題で休館している下新町の福知山鉄道館ポッポランド1号館を、岡ノの福知山城公園内に移転新築する方向で準備を進めている。当初は、道の向かい側、蛇ケ端の公園型複合施設・ゆらのガーデン前にある福知山城公園観光駐車場内を予定していたが、建築コスト面などから場所を変更した。

 1号館は、商店街の昭和初期に建設された施設の一部を利用して1998年9月に開館。C57動輪や北丹鉄道関係資料、旧国鉄鉄道部品など500点以上を展示し、「鉄道のまち福知山」の歴史を伝える貴重な施設だったが、移転先が確保できず、18年3月末に休館する事態に陥った。

 しかし、再開を強く願う個人から19年7月、施設整備や管理運営費として2億円の寄付の申し出を受け、市はその意向から、福知山城公園観光駐車場内に施設の移転新築を計画した。計画地は豪雨による内水で浸水被害が続いたこと、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の効果で満車になる日が多い駐車スペースを確保するため、高床式の構造にして、1階は駐車場、2階を施設にすることにしていた。

 高床式にすると予想以上に建築コストがかさむ。更に、地元説明会で施設の高さから周囲の景観が悪くなることを危惧する声が出た。そこで市は当初に計画していた駐車場のトイレ付近から、市道を挟んで向かいの約100メートル離れた区域に建設予定地を移した。

 場所は福知山城公園内の昇龍橋北の府道側で、法川沿いだが、当初予定地より高台になっているほか、河川上流部の改修が進んで浸水の心配も少ないため、平屋建ての施設にする計画にしている。

 大河ドラマで脚光を浴びる福知山城天守閣に続く昇龍橋のそばで、法川を挟んだ向かいには市佐藤太清記念美術館があり、相乗効果で観光客が増えることが期待される。

 市は「現在、基本設計をしているが、周囲の景観に配慮し、調和のとれた外観にしたい。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で当初よりも建設準備が遅れているが、22年度の開館をめざしたい」と話す。

 再開に向けて市と協議をするポッポランド運営委員会の塩見充男さんは「新施設に移す大切な鉄道遺産が劣化、損傷しないように、今も月1回は休館中の1号館の換気や清掃をしています。市には、場所を変更することで規模が縮小されないようにと願い、寄付された方の意向を尊重し、工夫を凝らして幅広い年齢層の方を集客できる施設にしてほしいと要望しています」と話していた。


写真=鉄道館ポッポランド1号館の移転新築先として予定する福知山城公園の一角

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