大河「麒麟がくる」残り2話 ゆかりの福知山で市民は

2021年01月28日 のニュース

 戦国武将・明智光秀を主人公にしたNHK大河ドラマ「麒麟がくる」の放送は残り2話。本能寺の変で、主君・織田信長を討った逆臣のイメージがつきまとう光秀だが、自身の正義を貫き、情に厚い人物として描かれてきた。ゆかりの地・京都府福知山市の市民はどのようにとらえたか。最終話の予想もしてもらった。

■「イメージ一変」■

 パートの30代、土田真央さんは欠かさず見ている。
 福知山で生まれ育ったが、光秀を意識したことはあまりない。光秀役の長谷川博己さんが好きな俳優の一人であることなどをきっかけに見始めたが、光秀のイメージは一変した。
 記憶に残るシーンは、美濃時代の長良川の戦いの折に、おじの光安が発する悲哀の言葉を光秀が聞くところ。光秀と福知山との歴史にも関心を高め、「優しく人のことを考えられる人。誇れるようになりました」と話す。
最終話は「思い入れもあるので、実は生きていた説で」と笑う。

■「深み感じる」■

 歴史の専門家はどう見たか。大河放送開始に向け、光秀や福知山城について32回にわたり両丹日日新聞に連載した「ときは今 明智光秀 ここに見参!」の執筆者・市生涯学習課長の八瀬正雄さん。合戦の様子や城の造形などから「時代考証がしっかりしている」と話す。
 印象深いシーンは、光秀が帝と月を見上げる場面。「朝廷との接点をにおわせている。物語後半の三河勢の存在感も気になる。(本能寺の変に向けて)いろいろと伏線がちりばめられていて、『うまいなあ』と楽しく見ています」
 主人公は光秀だが絶対的な存在ではなく、様々な人の思いが交錯して戦国時代を広い視点でとらえていることで、「光秀の人としての深みを感じる」。最終話は「本能寺で、信長が火の中に消えていくところであえて終わる、のもありなのでは」と意表を突く。

■「短すぎる」■

 50代の男性会社員は「福知山には城や神社、堤防以外にも光秀の人物像を語るエピソードがたくさんあるけれど、ドラマ本編で描かれることは無いだろうと、放送前から半分諦めてはいた。それでも丹波攻めそのものが、まさかこれほど省略されるとは思いませんでした」と苦笑い。印象深いシーンを問うと「場面よりも、後半の展開が早すぎるという点が一番印象強い」ともいう。
 最終回については「やはり44話は短すぎる。できれば最終回で本能寺の変まで描かず、4年後に『続・麒麟がくる』を放送して、前半のヤマ場に本能寺を。その後、ガラシャを描いてもらいたい」と続編を熱望する。

■「元気が出る」■

 番組最後にゆかりの地を紹介する大河ドラマ紀行で、福知山の登場を願う市のPR活動「麒麟よ来い」の先陣に立つ秘書広報課シティプロモーション担当課長の足立譲治さんは「いぶし銀のごとく魅力ある人物に演じられていて、福知山にとってうれしく、大変元気が出る光秀像」と太鼓判を押す。
 最終話は「天下太平をめざしながら、いつしか道をたがえた光秀と信長が『どこですれ違ったのか』と、分かりあって終わる。平和に暮らしたい思いは、昔も今も変わらないことを伝えてくる」と予想する。
 麒麟が「福知山に来る(福知山が出る)」チャンスはあと2回。足立さんは「来たらうれしいけれど、来なくても次につなげたい。大河終了後もさらに市のPRに務めていく」と意気込む。


写真=福知山市役所に展示されている「麒麟がくる」のポスター

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