「本物の敵は備中に」と頼山陽 明智光秀祭る御霊神社で「本能寺」の石碑を清掃 詩吟の愛好者たち
2020年12月27日 のニュース
明智光秀を祭る京都府福知山市の御霊神社境内に、漢詩「本能寺」が刻まれた石碑がある。詩吟の吟道賀堂流牧水吟詠会(西田賀公亮会長)が、このほど積もった落ち葉などを取り除き、石碑や周辺の土台を丹念に磨いた。
石碑は吟詠会が、会の創立30周年記念と御霊神社創建290年が重なった1994年に、賀堂流宗範の牧賀公さんの遺徳をしのび、御霊神社に祭られている明智光秀の霊を鎮めるために建立した。
漢詩は、光秀が1582年に主君の織田信長を本能寺で討った史実に、江戸時代の漢詩人、頼山陽が「敵在備中汝(なんじ)能(よく)備」=本当の敵(秀吉)は備中にあり、なんじよく備えよ=と批評を加えたもの。
清掃は毎年この時期にしており、会員たちは小雨が降るなか作業を進め、汚れや苔などをブラシでこすってきれいにした。西田会長(79)は「今年はコロナ禍で活動が何も出来ませんでした。新型コロナウイルス感染拡大が一刻も早く終息するように願って石碑を磨きました」と話していた。
写真=石碑の清掃をする会員たち