“不老長寿”の果実ムベ収穫開始 夜久野で収穫体験も
2020年10月23日 のニュース

不老長寿の果物と伝わるムベの収穫が、京都府福知山市夜久野町西垣の農園で進んでいる。「地元を元気村」にと自治会が栽培を始めて5年目。今年は収穫目標を上回る2千個以上が実っていて、会員たちが摘み取り、夜久野高原の国道9号沿いのドライブインやくのに出荷している。摘み取り体験も今年から本格的にスタートした。
ムベは、天智天皇が狩りに出かけ、出会った老夫婦から長寿の霊果として差し出された実を食べ「むべなるかな(もっともだ)」と話したのが名前の由来とされる。集団栽培するのは全国で3カ所程度と少なく、西垣地区では、天智天皇とかつての天田郡、夜久野の頭文字から「天夜(あまや)」とネーミングしている。
実を皇室に献上している滋賀県近江八幡市を訪ねて栽培技術を学び、休耕田を開墾した約7アールの農園に約100本の幼木を植えた。順調に育ち、今では高さ約2メートルの棚いっぱいに広がる。赤紫色になり、耳たぶほどの柔らかさになったものから順番にはさみで丁寧に摘み取り、パックに詰めて出荷する。
羽上田公彦自治会長は「今年は夏に暑い日が続き、昨年より2週間ほど早く収穫を始めました。甘みは十分です」とPR。さらに「珍しさも手伝って売れ行きが良く、品切れでドライブインから農園に駆けつける京阪神の方もいます」と話す。
値段は1パック4、5個入りで600円(税込み)。農園でも販売する。摘み取り体験は1千円(中学生以上)で、時間制限なく食べることができ、土産として4、5個入りの袋が付く。予約、問い合わせは事業部長の衣川秀正さん、携帯電話090・8822・6001へ。
写真=赤紫色になったムベの実を摘み取る羽上田自治会長ら