コロナ禍で負担増す母校の業務を手助け 公立大生2人が府教委の制度で
2020年08月28日 のニュース
福知山公立大学=福知山市西小谷ケ丘=情報学部1年生、山邊悠雅さん、塩見明香音さんが、母校の京都府立工業高校で「スクール・サポート・スタッフ」として活躍している。府教委が増員を進めている制度で、新型コロナウイルス対策に追われる教職員の事務作業などを手伝っている。
教育現場では、新型コロナの影響で教室の換気や消毒、検温、健康観察といった業務が増え、教職員の負担が大きくなっている。これを解消しようと、府教委は以前からあったスクールサポートの制度を拡充した。
これまでは府内の小中学校30校ほどでしか導入していなかったスタッフを、ほぼすべての公立学校へ配置するようにし、各学校で導入が始まっている。
教員免許は不要でコロナ対策やデータ入力、プリント準備、教材作成補助などが主な業務。学習指導はしない。
2人は府立工業から直接連絡を受け、大学が夏休み期間と言うこともあってスタッフを引き受けた。毎週3日20時間の勤務で教職員をサポート。須貝義和副校長は「学校の隅々まで知ってくれているので大変心強い。コロナで増えた業務などを、かなり助けてもらっています」と話す。
親しい後輩たちもいて、実際の大学の様子を話題にして話すといった交流にも教職員たちから期待が寄せられている。
山邊さんと塩見さんは「よく知っている学校なので働きやすいです。高校生の頃は知らなかった先生たちの姿や苦労も見られ、社会勉強になります。3年間お世話になった恩返しができたらうれしい」と意気込んでいる。
市内では福知山、大江両高校、中丹支援学校にも1人ずつ配置されており、市立小中学校では、これまで1小学校に1人いるだけだったスタッフを14小学校と6中学校の計23人に増員している。
まだ増員を考えている学校もあり、府教委では「京の学校 サポート人材登録システム」として教職を目指す大学生や地域住民らの登録を募っている。
写真=母校で業務のサポートをする山邊さん(右)と塩見さん