夏の京野菜「万願寺」が収穫期 長さ15センチにも
2020年05月27日 のニュース

夏の京野菜を代表する「万願寺甘とう」の収穫が、京都府福知山市内で始まっている。肉厚で長さ15センチにもなる大型のトウガラシで、生産者らが品質管理や収穫作業に汗を流している。
大正末期に舞鶴市万願寺地区で栽培され始めた。野菜として近畿圏で初めて地理的表示保護制度(GI)に登録され、舞鶴、綾部、福知山の3市のJA京都にのくに管内で栽培されたものだけが「万願寺甘とう」を名乗ることができる。独特の風味と甘みがあり、全国でも人気が高い。
福知山市内では万願寺甘とう福知山部会(北山慶成部会長)が生産しており、昨年は全体で180トンを収穫した。市内では大規模農家の多い三和町の生産量が最も多くなっている。
同町中出の北山部会長は、広さ15アールの畑に8棟のビニールハウスを建てて栽培し、5月上旬から収穫を開始。作業は6月がピークで、11月ごろまで続ける。出荷量は例年並みの14トンを見込む。「今年は夏日が続いて気温が高く、生育が早い。ただ、高温は害もあるため、しっかりと管理したい」と話す。
新型コロナウイルスの影響で、料亭などの需要が例年に比べて落ちているといい、「経営の厳しい飲食店などへの支援を生産者側としてもしていこうと思っています。厳しい年になりそうですが、互いに助け合って頑張りたい」と気を引き締めた。
写真=万願寺の様子を確認する北山さん