路線バスで客と荷物 ジェイアールと日本郵便が貨客混載を試験導入
2020年05月26日 のニュース

西日本ジェイアールバスと日本郵便は、路線バス園福線のJR福知山駅から柳瀬停留所(京都府福知山市三和町菟原下)まで、乗客と郵便物を一緒に運ぶ「貨客混載輸送」の試験運行を始めた。ジェイアールバスは収入の確保につながり、郵便局は配達員の負担軽減が図れるなど、両社に利点があるという。
全国的に同様の事業が行われているが、府によると、府内の「路線バス」での貨客混載輸送導入は初めて。
園福線は園部駅と福知山駅を結ぶ路線で、福知山駅発は一日7便ある。貨客混載は日曜日と祝日の夕方の一日1便で実施。施錠した専用ボックスを客席部分に置き、1便あたり1ケース(最大110キロ)を運ぶ。
初日となった24日は、福知山郵便局員が、駅近くにあるバス出発点の乗務員宿泊所前で専用ボックスを積み込んだ。約20キロ離れた柳瀬停留所まで運ばれた郵便物は、三和郵便局員が下ろした。まずは1年間、同様の方法で試験的に取り組む。
三和郵便局に一日3回、郵便物を運んでいる福知山郵便局では、貨客混載輸送の導入で、1回はバスで運ぶことができるため、配達員の負担軽減などが図れる。
園福線の利用者が1便平均10人未満と減少するジェイアールバス側は、日本郵便から安定的に輸送収入を得ることができ、地域交通の確保につながる。
園福線を運行する京丹波営業所の場田博之所長(55)は「ほかのバス事業者も、利用者が減少している中で、この取り組みの開始がきっかけになり、導入が進めばうれしい」と期待している。
写真=バスに専用ボックスを積み込む郵便局員