市の再編計画で小学校が半減 跡地活用に課題

2020年03月25日 のニュース

 福知山市内の小学校の数が、この10年で大幅に減少した。児童数が減り複式学級のある学校が、近隣の学校と統廃合されている。2011年度には27校あったが、20年度で16校、21年度には14校と半減する予定だ。市が進める市立学校教育改革推進プログラムの重要施策で、20年度に計画の最終年を迎えるにあたって、これまでの経過を振り返る。

 改革プログラムは、市教育委員会が、学校教育審議会から教育のあり方、適正配置などの答申を受け、少子化の進行など市内の実情を踏まえながら、11年度に策定。教育内容の充実(ソフト面)と学校の再編(ハード面)の2点を重点項目として、20年度までの10年計画で取り組んでいる。

 市内の児童数は、第2次ベビーブームを受け、1982年の7749人でピークを迎えた。それ以降は減少が続き、2011年度は4611人、今年度は4162人となっている。

 市の中心部など一部の学校では微増があるものの、その他の周辺部では減少傾向。小学校は1校で12~18学級が望ましい規模と言われており、統廃合の検討は、複式学級の設置が見込まれた13校を対象とした。

 より多くの児童の中で勉強をさせたいとの保護者の希望に、地域住民が応える形で整備が進められた。13年度には、夜久野町の精華、育英、明正が統合し、夜久野小と夜久野中による小中一貫校「夜久野学園」が開校。

 それを皮切りに、施設一体型小中一貫校として19年度には三和学園が開校し、大江学園(仮称)は21年度をめざして整備が進む。六人部、川口両中学校区でも、1中学校区に1小学校となった。

 担当する学校教育課は「行政、地域、保護者のみなさんが、教育について考えた激動の10年だったと思う。それにより、一つの方向性を示すことができた」と振り返る。

 一方で課題も浮かび上がる。閉校となった学校跡地の活用だ。中六人部は民間企業が入り、夜久野の精華にはグループホームが建設されるなど、すでに活用方法が決まっているところはあるが、多くは未定。明正、育英は閉校して7年が経つが、まだ決まっていない。地域から学校がなくなった地域住民にとっては新たな悩みの種となっている。

■教育内容充実に新プラン策定へ■
 
 同プログラムでは、保幼小中学校で切れ目のない教育をめざすシームレス学園構想など教育内容の充実も図ってきた。

 ハード面の整備のめどが経ち、20年度には、さらに内容を充実させるための新たなプラン(21~25年度)を策定する。

 一人ひとりの子どもが自分の良さを見つけ、自らの可能性を自覚し、長所を伸ばす。そのため、普遍性、地域性、時代性の3要素を意識した内容にしていくという。
 
■小学校統廃合の変遷■
 
【2013年度】
 夜久野町の精華、育英、明正が統合し夜久野小と夜久野中による小中一貫校「夜久野学園」が開校
【2015年度】
 三岳を上川口へ、三和町の川合を細見へ統合
【2018年度】
 上六人部と中六人部を下六人部へ統合(19年度に六人部小に校名変更)
【2019年度】
 三和町の菟原と細見が統合し三和小が開校。同時に三和小と三和中による小中一貫校「三和学園」が開校
【2020年度】
 天津を修斉へ、佐賀を遷喬へ、金谷を上川口へ統合
【2021年度】
 大江町の美河と美鈴と有仁を統合し、大江小学校(仮)と大江中学校による小中一貫校「大江学園(仮)」開校予定

 
写真=17年度で閉校となった中六人部小学校

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