廃校でイチゴ栽培 校舎改修してカフェ、菓子教室も

2020年03月13日 のニュース

電設の井上が旧中六小で

京都府福知山市篠尾新町の総合電気設備業、井上株式会社(井上大輔社長)は、2018年3月に閉校した旧中六人部小学校=下地=で、イチゴ栽培を始める。ブランド名は「奥京都廃校苺」。今年からグラウンドでのハウス栽培に取りかかるほか、校舎をリノベーションし、カフェのオープンや菓子づくり教室の開催も計画している。

地域に支えられてきた会社として、閉校した小学校の跡地活用といった課題を解決し、福知山の地域活性化につながる取り組みを-との思いで、農業事業に取り組む。

府内で栽培がさほど盛んではなく、参入する余地のあるイチゴに着目し、イチゴ栽培を手がけることにした。事業化に向けて、今年1月に旧中六人部小の賃貸借契約(10年間)を市と結んだ。

グラウンドでの栽培に先立ち、昨年には学校近くの農地を地元農家から借り、約400平方メートルのハウス1棟で試験栽培を開始。事業のリーダーを務める森翔平さん(28)を中心に、イチゴ栽培のコンサルタントから指導を受け、ほぼ無農薬で、温度管理にも気を配りながら丹精込めて育てた。

 品種は、香りが良くて甘い「かおり野」、適度な酸味がある「紅ほっぺ」、果汁が豊かな「章姫」。収穫の時期を迎えていて、ハウスには甘酸っぱい香りが漂う。すでに市内の洋菓子店、喫茶店などに販売し、タルトやいちご大福などに使われている。

グラウンドでの栽培に向け、7月までにビニールハウスを建てて9月に苗を植え、12月には収穫を開始する予定。ハウスは7棟をつなげ、2142平方メートルの広い空間にするという。

校舎については、5月ごろから本格的なリノベーション工事に入り、カフェなどのオープンをめざす。カフェでは、冷凍した今期の収穫分を、かき氷にして販売することも検討している。また12月には、菓子づくり教室の開催も考えている。

井上社長(45)は「地域の人たちが協力的で温かく、とてもありがたい。FUN(楽しい)とFARMER(農家)を組み合わせた『FUNMER(ファンマー)』を合言葉に、人が集まる場にして活気を生み出し、たくさんの笑顔があふれる農業をめざしたい」と話している。


写真上=試験栽培で育てたイチゴが収穫の時期を迎えている
写真下=ハウス栽培を始める旧中六小グラウンド

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