光秀ファン向け体験ツアーも 京都府新年度予算

2020年02月06日 のニュース

 京都府は、2020年度当初予算案を発表した。一般会計は9018億円で、前年度当初比1・4%増となった。中丹地方では治水対策、観光促進、大学と連携した魅力発信などに予算を組んでいる。国の防災や経済対策などに対応した19年度2月補正136億円とともに、13日に開会する府議会2月定例会に提案する。

 治水対策では、安心な由良川づくりとして、今年度に福知山市の弘法川と法川で、流域の山や田の保水力などを調査した。新年度はこの結果を精査し、市などと情報を共有したうえで、今後の治水対策に生かす。また別の由良川支川での調査も検討する。

 水害への備えとして、農業用ため池の適正な管理ができるよう、管理者らを対象に点検手法や補修方法の研修を実施する。この際にドローンを活用して、流木がたまっている箇所はないかなど、ため池流域の状況調査もする。

 観光面では、福知山ゆかりの明智光秀を主人公とするNHK大河ドラマ「麒麟がくる」の放送を契機とし、情報発信やツアーを実施するなどして、誘客促進に取り組む。

 ツアーは、発信力の高い首都圏や京阪神地域のメディア、旅行会社、インフルエンサー(SNSなどで影響力をもつ情報発信者)らに、中丹地域にあるゆかりの地を巡ってもらい、情報拡散につなげる。ここで出た意見などを参考に、一般の光秀ファン向けの体験ツアーを企画する。

 大学との連携に関する事業では、福知山公立大学の学生らがフィールドワークで発掘した地域の隠れた資源を、「地域の魅力カタログ」としてまとめ、インターネットで紹介。魅力を発信するとともに、中丹地域で起業を考える人への検討材料になれば-との思いもある。

 また20年度に、関係人口の獲得・拡大を図るため、中丹地域の子育て、移住、観光などの情報を掲載した「まとめサイト」を開設。20年度に新設される同公立大学の情報学部などと連携し、サイト内での効果的な発信方法を検討する。

 このほか、子育て支援体制づくりを進めるための地域サミットの開催▽万願寺甘とうの高付加価値化▽丹波くりの生産者、生産量の拡大▽えびいもの新規栽培支援-といった事業も盛り込んだ。

 府全体をみると、新年度のテーマは「令和新時代・京都府夢実現チャレンジ予算」。人口減少や少子高齢化、自然災害など喫緊の課題への対応、東京オリンピック・パラリンピックの開催のほか、文化庁の全面的移転や新名神高速道路の全線開通などを控えており、京都発展の機会を最大限に生かす施策を推進する。

 なかでも、「子育て環境日本一の京都づくり」を第一に掲げており、総額252億円を計上。特定不妊治療のための通院交通費助成制度の創設、私立高校への修学支援や幼児教育無償化の拡充などに取り組む。
 
 
写真=福知山公立大学に新設される情報学部とも連携して事業を進める

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