歴史ファンの心くすぐる福知山光秀ミュージアム 家中軍法など現物そろえ

2020年01月02日 のニュース

 明智光秀の魅力を伝える「福知山光秀ミュージアム」が、京都府福知山市で11日にオープンする。目玉となるのが光秀に関する重要歴史資料の展示。福知山市内外の約100点の原本・現物を中心にそろえ、内容を変えながら年間を通じて見ることができるようにして、歴史ファンの心をくすぐる。

大河ドラマの放送が始まると、主人公のゆかりの地でドラマ館(ミュージアム含む)がオープンする。今年の「麒麟がくる」でも、光秀が前半生を過ごした岐阜県内、丹波平定時の拠点・亀山城を築いた亀岡市などでも開設へと動き、各地が特色を打ち出している。

福知山のミュージアムは、福知山市や商工、文化、観光団体など官民で作る福知山光秀プロジェクト推進協議会(会長・塩見和之福知山商工会議所会頭)が主催して、福知山城天守閣そばにある市佐藤太清記念美術館2階に構える。

 美術館は、隅櫓風城郭建築様式で建てられ、城と調和した一体感を生む。作品保護のために温度、湿度、光、空気などの管理に優れ、貴重な原本の取り扱いができる強みを生かす。

原本を中心に、年間10回に分け、内容を入れ替えながら展示する。

 原本は、光秀を祭る中ノの御霊神社にある「明智光秀家中軍法」をはじめ、「明智光秀肖像画」(岸和田市、本徳寺所蔵)▽「明智光秀書状」(大阪青山歴史文学博物館所蔵)▽「山崎合戦図屏風」(大阪城天守閣所蔵)など貴重なものばかり。

福知山では初公開になる三重の個人収集家から借りる「織田信長朱印状」や近隣市のものなどもある。

推進協議会の中野裕行事務局長は「一次資料(原本)を1カ所でこれだけ見られる機会はめったにない。展示についての問い合わせもいただいています」。市も「年間を通じて光秀関連の資料を見られるところは強み。本物でしか伝わらない魅力をぜひ」と力を込める。

■俳優の衣装、小道具も展示■


ミュージアムに入ると、最初に大河ドラマコーナーがあり、俳優が着た衣装や小道具の展示などがある。奥に進むと、4章仕立ての光秀コーナーに入る。

1章は「我生涯は戦国なり~明智光秀の時代~」。若き美濃時代から本能寺の変まで光秀の生涯をパネルで紹介する。妻の煕子、娘婿の秀満、娘のガラシャ、足利義昭、信長、豊臣秀吉などとの関係も図解し、光秀の歩みを追う。

2章は「我魂、丹波を翔る~光秀の丹波攻略と福知山~」。140インチの巨大スクリーンに、地図CG、ドラマ風実写映像などを駆使して5分間の上映を繰り返す。

3章は「我、城下町を建つ~光秀と福知山~」。城を築き、この地を福知山と命名した光秀の功績を取り上げる。築城や城下町づくりでの光秀の知恵、治水対策や地子銭(土地税)免除で民のために善政を敷き、今も市民に親しまれている由来を記す。

 4章は「我、叡智を尽くし乱世を翔り~光秀の実像に迫る~」。主君の信長を討った謀反人としてのイメージが強い光秀だが、様々な魅力を持つ人物でもあった。映像とグラフィックで、信長に重用された知将としての存在感、茶の湯や連歌をたしなむ文化人の一面にふれる。いまだに謎に包まれる本能寺の変の原因を複数の説で記す。

開館時間は、午前9時~午後5時(入館は4時30分まで)。来年1月11日までで年中無休。

ミュージアムについての問い合わせは同協議会、電話0773(48)9108へ。

写真1枚目=隅櫓風城郭建築様式の美術館2階に入る。ミュージアム専用のぼりも立ち機運が高まる
写真2枚目=光秀の生涯をパネルで紹介する1章
写真3枚目=140インチの大型スクリーンで光秀の丹波攻略を映像で紹介する2章
写真4枚目=知将、文化人など光秀の様々な顔に注目する4章など。一角にミュージアムの特色にする歴史資料展示コーナーが入る

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