栽培3年目、昨年の収穫5個が今年は800個 不老長寿の実「ムベ」
2019年11月06日 のニュース

京都府福知山市夜久野町の山間にある西垣自治会(羽上田良和自治会長)が、地域活性化にと栽培するアケビ科のつる性植物・ムベの収穫祭が4日にあった。「不老長寿の実」と呼ばれ、取り組み開始から3年目を迎える。収量は初収穫した昨年の5個から、一気に800個に増え、喜びの笑顔も大きく広がった。
天智天皇が元気な老夫婦から長寿の霊果として差し出された実を食べ「むべなるかな(もっともだ)」と言ったことが名前の由来とされている。
西垣は少子高齢化が進む21世帯の集落。全国的に珍しいムベの特産地となり、魅力ある古里をつくろうと、住民有志が2017年12月に休耕田を開墾して7アールのムベ農園を作ったことに始まる。
今年は成長が進んだうえ、追肥に加え、初めて人工授粉にも取り組み、目標100個をはるかに上回る成果が表れた。
収穫祭には地区内外から約40人が集まり、赤紫色に実ったムベをもぎ取った。さっそくかぶりついた人は「甘い」「おいしい」と歓声を上げ、ムベの天ぷらなどの試食でも好評だった。
夜久野高原の国道9号沿い、「ドライブインやくの」での委託販売も同日から始まり、特産化への一歩を踏み出した。
羽上田自治会長は「予想以上の成果はうれしいが、取り組みはまだまだこれから。地元に根差した活動にして土台をしっかりと作り、対外的にもどんどん売り出していきたい」と意気込んだ。
写真=たくさん実ったムベの収穫に歓声