児童館退職し、「子どもの居場所を」と駄菓子屋開店 前田の野口さん

2019年09月23日 のニュース

 34年間勤めた前田児童館を退職し、今春に駄菓子屋をオープンさせた。京都府福知山市の野口里香さん(65)。「店に来た子どもたちの笑顔が見られる。それに、昔、児童館に通っていた子が、息子や娘を連れて来てくれる。それがうれしい」。子どもの居場所作りに-と始めたが、自身の生きがいにもなっている。

児童館に勤務していた当時、共働きの家庭が多く、居場所のない子がたくさんいると感じていた。退職が近づくなかで、「子どもたちにとって、居心地の良い空間を、自分の手で作れないか」と考えるようになった。

頭に浮かんだのは、母親が三重県で営んでいた駄菓子屋の風景。店に来た子が、ウキウキしながら商品を選んでいる。そして、子どもと触れ合う生きいきとした母の姿だった。

「これだ」。子どもを見守る「駄菓子屋のおばちゃん」になろうと決めた。建設業を営む夫と息子たちも賛同してくれた。建物の建設、商品の仕入れなどの協力もあり、前田に店をオープンできた。

当初から盛況で、いまも多い日には30人から40人が訪れるが、「もうけようなんて思っていません」。店の外には、ベンチを置いていて、そこで勉強だけして帰る子もいる。

「自転車はしっかり並べる」「友だち同士でお金の貸し借りはしない」などルールを設けている。「やんちゃな子もいますが、ちゃんと教えれば守ってくれる。素直なかわいい子ばっかり」と笑う。

先日、店に来た子どもとの会話。「おばあちゃんが、この前死んだんや。おばちゃんは死ぬの怖くない?」。「考えたことないな。おばちゃんは、今を懸命に生きてるから」。子どもたちが店に来てくれるうちは、まだまだ元気でいられる。


写真=子どもを見守る「駄菓子屋のおばちゃん」になった野口さん

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