テナガエビの養殖、3回目の挑戦 特産にと大江の住民組織

2019年09月22日 のニュース

 養殖が難しいテナガエビを町の名物にしようと、京都府福知山市大江町の住民自治組織「大江まちづくり住民協議会」(桑原守朗会長)が、3回目の養殖実験を始めた。飼育していた多くのエビが共食いなどで死んだため数が減少していたが、宮津市の府立海洋高校から人工ふ化させた稚エビを譲り受け、改めて増産化のノウハウ蓄積に取りかかった。

テナガエビはカワエビとも言われ、はさみの先端から尾までの長さは最大で雄が20センチ、雌が15センチほど。福知山市や下流の舞鶴市内の由良川にも生息し、5月から7月にかけて、かごを使っての漁が行われる。素揚げなどにして食べるとおいしい。

大江まち協は、食用のテナガエビを大江町の新たな特産品にしようと、養殖事業を計画。卵から人工ふ化させることに成功している海洋高に、稚エビ提供の協力を求めた。2017年11月、公庄の実験場(車庫)で、海洋高マリンバイオ部の生徒たちがふ化させた約500匹を、水槽で育て始めた。

しかし1年目は冬季の冷え込みで、水槽に氷が張り、低温状態となって稚エビは全滅した。

2年目の昨年は3月末に新たに4基の水槽を導入。養殖実験を再開しようとしたが、7月豪雨で実験場が冠水し、開始が先延ばしに。その後、同年9月には海洋高から再び約500匹の稚エビの提供を受けて水槽で育てたが、共食いなどが原因で75匹なってしまっていた。

今回持ち込まれた稚エビは約1650匹。生徒たちが由良川に生息する親エビから採取した卵を7月後半にふ化させた。体長は約2センチで、15日にマリンバイオ部の生徒4人と教諭2人が実験場まで運び、2基の水槽に移した。

水槽内には共食いを防ぐため、エビの隠れ場となるネットを入れていて、冬季には寒さを和らげるヒーターも使う。

マリンバイオ部の小籔久瑠斗君(2年)は「共食いのほか、水槽がすぐに汚れ水質悪化で死んでしまうことがあるため、水の管理が難しいと思いますが、何とか大きく育ててほしい」と願っていた。

桑原会長(67)は「協力してもらった海洋高に応える意味でも、これまでの失敗を教訓に、エビの生存率を高めていくための方策を練り、特産化に結び付けていきたい」と話している。


写真=実験場の水槽に稚エビを移すマリンバイオ部の生徒たち

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