プラ容器の中でヒナ育つ ツバメの巣が落ち代用

2019年06月10日 のニュース

 京都府福知山市奥榎原の林満さん(72)方で室内にツバメが巣を作り、6羽のヒナが「ピーピー」とにぎやかに鳴いている。重みで巣が落ちて壊れてしまうハプニングがあったが、林さんは「無事に巣立ってほしい」と願い、救済策を考えて、代用の容器を取り付けた。親鳥から餌をもらってヒナは順調に育っており、フェイスブックに観察記録を載せている。

 老後は田舎で米作りをして暮らしたいと、林さんは15年前に空き家を見つけ、神戸市から奥榎原へ移住した。田園地帯で、昨春、母のキヨさん(97)が暮らす10畳の部屋にツバメが営巣したが、その後、窓を閉め切っていたため親鳥が出入りできず、「ツバメに悪いことをしてしまった」と悔やんでいた。

 そこで、今年は窓に親鳥が常に出入りできる約30センチ四方の空間を特設。待ち望んでいたところ、4月中旬から親鳥が泥などをせっせと運び、昨年と同じ天井に近い、高さ約1・8メートルの場所に巣を作った。

 5月に入ると産卵し、つがいでせわしなく餌を運んで子育てを始め、6羽のヒナが順調に育ち、毎日楽しみに観察していた。ところが、ヒナの成長で巣の重みが増したせいか、クロス張りの壁がはがれ、30日に落下した。元に戻すのは無理で、林さんは慌てた。

 「ツバメの子を人が触ると親が育てなくなるのでは」と心配したが、とりあえず巣の代わりになるものを取り付けようと、棚受け金具を取り付けて小さな籠を置き、ヒナを入れた。

 しかし、ヒナは元気がなく、鳴かないため、親鳥は飛び回るものの近づかない。「このままでは命がもたないかもしれない」と、ひと回り大きなプラスチック容器に取り換え、ティッシュペーパーを底に敷いたところ、再びヒナが元気を取り戻した。

 林さんは「今、親鳥は15分おきぐらいに餌を運んでヒナに与えています。巣立つ日が楽しみです」と話している。

 

写真=プラスチック容器のなかで親鳥から餌をもらい、元気に成長するヒナ

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