平安時代作の天寧寺薬師如来坐像を文化財指定 福知山市

2019年05月22日 のニュース

 京都府福知山市は、大呂の天寧寺に安置される木造彫刻の仏像3点を、このほど市文化財に指定した。木造薬師如来坐像、木造阿弥陀如来坐像、木造聖観音菩薩立像。

 北近畿を代表する古刹で、国の重要文化財が「絹本著色十六羅漢像」など2件、府指定は薬師堂、「絹本著色大中臣持実像」など9件があり、今回の指定で市指定は計7件となった。

 薬師堂に秘仏本尊として祭る「木造薬師如来坐像」は、像高64・1センチ。全体的に荒々しい作風がみられ、額にかぶさる髪際、引き締めた頬、つり上がった目尻が厳しい表情を作っている。

 福知山最古の木彫仏、9世紀の長安寺薬師如来立像に近い点などから、制作時期は平安時代(10世紀から11世紀ごろ)と推測される。この地方の薬師信仰を捉える上で重要な仏像という。

 木造阿弥陀如来坐像は、像高70・6センチ。同寺の研修道場に安置され、保存状態は良好ではないが、主要な部分は当初の造形をよく残している。接着部分の遊離や部材が分離する状態で、通常では知ることができない構造の細部を確認できた。

 特に本体部と体側部などの接合の技法に特徴があり、本体と右肩は、背面で互いに相かぎ状に切り込みをつくって合わせている点などが珍しいという。

 頭と体のバランスがとれ、細かく彫られた螺髪や瞑想する静かな表情、流麗で柔らかな衣文線などがみられ、このような表現から平安時代(12世紀)に京都で制作された仏像だと考えられる。

 木造聖観音菩薩立像は、同寺の研修道場に設けられた須弥檀上の厨子内に安置されている。像高は82センチ。腰を左にひねり、右ひざを曲げて足先を前に出す姿をしている。腹部から腰部、背面にふっくらとした肉付きがみられ、緩やかな動きをみせる。

 平安時代(12世紀)の京都での作風をよく示しており、面長な顔立ちなどに木造阿弥陀如来坐像と似たところがあり、同じ工房で同時期に制作されたと考えられる。

 同寺境内の西側は谷で、川が流れ池も存在することなどから、この像は水神信仰に関連した観音像であったとみられる。

 

写真上=薬師如来坐像

写真中=阿弥陀如来坐像

写真下=聖観音菩薩立像

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