事故で横転の車から煙 消防団員・看護師夫婦が男性救助
2019年02月26日 のニュース

京都府福知山市夜久野町平野で軽自動車が事故を起こして横転、煙を上げる緊迫した状況の中で、近くに住む居相浩二さん(50)=会社員=と真智子さん(50)=看護師=夫婦が協力して、運転席で足を挟まれた男性を助け出した。勇気ある2人の行動に、福知山署(姫野敦秀署長)は25日、感謝状を贈った。
交通事故は5日午後6時30分ごろ起きた。居相さんの自宅前を通る府道の下り坂を南下していた軽四自動車が、停車中の普通自動車に追突して、横転。大きな音に気付いた夕食中の浩二さんと、自宅から買い物に向かうため自身の車に乗ったばかりだった真智子さんが、すぐに事故現場に駆け付けた。
車は運転席を下にして横向きになっており、車内からは煙が上がり、運転していたと思われる男性1人の姿が見えた。
現場は上夜久野駐在所のすぐ近くだったが、当時、駐在員は不在。浩二さんは地元の消防団員でもあり、使命感から救助にあたった。
「車が燃えると危ないと分かっていました。怖さはありましたが、日ごろの訓練のおかげで、体が勝手に動きました」
男性に声を掛けると、反応はあったが、足を挟まれているように見えた。事故でハッチバックのガラスが割れていたため、居相さん夫婦はここから車内に入り、力を合わせて運転手を引っ張り出した。「意識はありましたが、耳から血が出ているように見え、頭などにけががないか確認しました」と真智子さんは言う。
救助された男性は軽傷で済み、ほかにけが人もおらず、煙は自然に収まった。
真智子さんは「通行人の巻き添えもなく、ドライバーも大きなけがでなくて良かった」。浩二さんは「夫婦で感謝状をもらうのは、そんなにないことなので大切にしたい」と話し、「これからも何かあった時は、できることをしたい」と気を引き締めていた。
写真=感謝状を受ける居相浩二さん(中央)と妻・真智子さん(左)