SLの動輪や記念切符など展示 福知山鉄道館お披露目
2023年08月25日 のニュース
鉄道とともに発展してきた福知山の歩みを伝える「福知山鉄道館フクレル」(森田成章館長)が26日、京都府福知山市岡ノの福知山城公園内に開館する。福知山-大阪間の鉄道が初めて開通したのは1899年。福知山駅の今と昔が分かるジオラマ、活躍した蒸気機関車の動輪などが、100年以上の鉄道のまちをアピールする。
福知山は、京阪神と北近畿の結節点として重視され、旧国鉄の全国でも27カ所しか設置されなかった鉄道管理局が置かれるなどし、多くの蒸気機関車が配備された。ピーク時には約5700人以上の鉄道職員がいたこともある。
市街地では1998年から、そうした歴史を伝える「ポッポランド1号館」が運営されていたが、2018年に入居施設の老朽化で休館。新築移転のために個人から2億円の寄付があったことなどから、市が新鉄道館「フクレル」を建てた。
鉄筋コンクリート造りの平屋建て(一部2階建て)で、延べ床面積は583・76平方メートル。建設や周辺整備も含めた総事業費は約5億8300万円。約150点の展示品があり、1949年から福知山線、山陰線を走ったC5793蒸気機関車(SL)の動輪などに自由に触れることができる。
壁面には巨大なSLの写真とともに年表などを載せており、運転士が身に付けた鉄道時計や記念切符といった資料も並ぶ。Nゲージの電車が走るジオラマは、福知山駅の高架前と高架後を再現した。
旧福知山市街地と大江町河守をつないだ北丹鉄道の企画展示もしている。
また、子どもたちが楽しめるSLの火夫体験、運転シミュレーター、壁面に投影された映像が動きに連動する「インタラクティブウォール」もあり、実際に体験をしながら、SLや電車について学べる。
土曜、日曜には、旧国鉄OBらでつくる「福知山SL保存会」が施設の案内をする。松山美昭会長は「ポッポランドで展示していた資料が、また多くの方に見てもらえるようになってうれしい。語り部としてみなさんをお待ちしています」と来場を呼びかけている。
24、25両日には内覧会が開かれ、フクレルの応援サポーターや地元関係者、幼稚園児などが招かれた。巨大な動輪の穴から顔をのぞかせて「おーい」と手を振ったり、ジオラマの電車に声を上げて大はしゃぎ。
火夫体験ではウレタン製の“石炭”を上手に炉に入れ、福知山駅から京都駅まで蒸気機関車を動かす体験などもした。
開館時間は午前9時から午後5時まで。毎週火曜日と12月28日~31日、1月4日~6日は休む。入館料は大人500円、小中学生250円。運転シミュレーターのみ、1回300円がいる。
写真(クリックで拡大)=内覧会に招かれ動輪で遊ぶ園児