福高生が発案 大河ドラマゆかりの地の高校結んだ黒板アート

2023年02月05日 のニュース

 学校の黒板をキャンバス代わりに描いた作品の出来を競う「黒板アートグランプリ大会」がこのほど、兵庫県豊岡市内で開かれた。大会は京都府福知山市土師、福知山高校の生徒が発案。5高校がNHK大河ドラマを題材に制作し、審査の結果、神奈川県鎌倉市の鎌倉女学院中学校・高校がグランプリを獲得した。

 福知山高校2年生4人が、福知山城を築いたとされる武将・明智光秀を主人公にした大河ドラマ「麒麟がくる」の盛り上がりを、放送後も持続させようと黒板アート大会の開催を考え、市と福知山公立大学(西小谷ケ丘)の学生2人とともに「アフター大河バトンプロジェクト」を立ち上げ、全国の高校にグランプリへの参加を呼びかけた。

 参加したのは福知山高校▽兵庫県立柏原高校▽埼玉県立深谷商業高校▽鎌倉女学院中学校・高校▽兵庫県立出石高校。

 大会は豊岡市内の永楽館で開いた。制作動画を会場のスクリーンで映し、各校が作品紹介。関東の2校はオンライン(Zoom)で参加した。福知山高は同校美術部員と卒業生がデザインした「麒麟がくる」で挑んだ。

 グランプリの鎌倉女学院の作品は大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を題材にした「鎌倉 由比ケ浜、日射る」。朝日が昇る鎌倉の由比ケ浜と流鏑馬をする武士の姿を力強く描いた。

 審査員からは「流鏑馬を逆光の中で行っている様子がチョークでうまく表現できている」と評価された。

 グランプリ実行委員長で、福知山高校2年の安宅珠葵さんは「グランプリを開催するのに一番苦労したのは参加校の募集でしたが、市役所の方や先生たちの協力があり、5校を集めることができました」と感謝。「企画、運営を通していろいろな経験ができ、自分の思いを伝える力がつきました。開催できて本当に良かったです」と話している。

各校の作品は次の通り。

「麒麟がくる」京都府立福知山高等学校
テーマ『麒麟がくる』(2020年放送)

美術部と美術部卒業生とがそれぞれアイデアを持ち寄ってデザインを作成させました。イラストは、光秀を古代人と現代人が挟むように麒麟にまたがり、過去から未来へのつながりを表現しています。朝焼けの市街地を駆ける姿を描き、将来への希望、福知山の魅力を凝縮して表現しました。麒麟の迫力を表そうと陰影にこだわりました。廃校の黒板を利用して制作しました。一般公開もして多くの方に見ていただき嬉しかったです。

「麒麟がきた」兵庫県立柏原高等学校
テーマ『麒麟がくる』(2020年放送)

モチーフは地元の「黒井城跡」山頂の夕暮れです。2020年の大河ドラマ「麒麟がくる」放映時に同ドラマが丹波市にもたらしている影響を探る授業の中で登りました。戦国時代の山頂からの眺めに想いを馳せ、夕陽のまぶしい斜光が差し込む山頂で、男女2人の生徒が太陽に向かってたたずむ情景をパノラマサイズで撮影し、黒板アートに仕上げました。普段使わない画材を使ったので新鮮でした。

「白雲を突き抜ける渋沢栄一翁」埼玉県立深谷商業高等学校
テーマ『青天を衝け』(2021年放送)

白雲を突き抜ける渋沢栄一翁の姿をテーマとし、上に向かって昇りつめていく躍動感が感じられるような作品を目指しました。1~3年生12人で制作したこの作品は、それぞれの得意分野によって分担し、細かい所までこだわって作りました。黒板アートは間違えた所を気軽に消せたりと、メリットもありますが、重ね塗りをすると色が落ちてしまうなどのデメリットもありました。そんな黒板アートならではの性質に苦戦しながらも、工夫を重ねることで理想の作品を作り上げることができました。

「鎌倉 由比ヶ浜、日射る」鎌倉女学院中学校高等学校
テーマ『鎌倉殿の13人』(2022年放送)

朝日が昇る鎌倉の由比ヶ浜、流鏑馬をモチーフに太陽を貫き「鎌倉から未来を切り開く」というテーマで描きました。流鏑馬は鎌倉時代に源頼朝が催行し鶴岡八幡宮で今もなお続く武技です。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のオープニングの雰囲気を参考に美術部の中学生、高校生15人程で取り組みました。黒板アートは初めての挑戦でしたが、試行錯誤しながら黒板の地を生かした表現を見つけていくことができたと思います。鎌倉時代の戦乱の世の武士の力強さ、緊張感が伝わったら嬉しいです。

「夫婦散歩」兵庫県立出石高等学校
テーマ『八重の桜』(2013年放送)

今回私たちは「八重の桜」という大河ドラマの作品を選びました。作品で描かれている時代は明治元年。鳥羽・伏見の戦いや戊辰戦争があった頃です。争いが多く、心に余裕を持つのが難しかったのでは無いかと思い、「夫婦散歩」というタイトルをつけました。また、出石の名物とも言える出石城跡をモチーフに夫婦で並び、ゆったりとした時間を過ごせたら良いなと考え、出石城跡の風景を選びました。ドラマのタイトルに「桜」とあるので、桜の景色もあればより幻想的になるのではと思い、八重と、一人目の夫である川崎尚之助の周りに桜の木や花弁を散らしました。激動の時代に八重は生まれ、壮絶な人生を歩みましたが、今回描いた黒板アートで、もし八重と尚之介が尚之介の故郷である出石へ二人で訪れていたならばこのような桜の景色が見られていたかもしれません。出石城の瓦や、木の葉っぱなど細かいところも注目して見て欲しいです。

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